片柳すすむ

かたやなぎ 進
日本共産党前川崎市議会議員
市議会傍聴レポート(議会活動報告)

「カルト宗教2世」問題―宗教をかくれみのにした子どもへの虐待対応を求める陳情

2022年12月11日

12月9日の文教委員会で、陳情146号『「川崎市子どもの権利に関する条例」に基づき「カルト宗教2世問題」を扱う件に関する陳情』が審査されました。

以下のように発言・質疑しました。

質問前の発言

宗教2世の問題がクローズアップされています。子どもたちがマインドコントロール状態におかれており、さらに親の保護下にあって、声を上げにくい状態に置かれています。その中で、「学校の行事などに参加できない」「恋愛が禁止される」ということが起きています。

またこうしたことを含めた虐待が、宗教をかくれみのとして積極的な対応がされないということがあってはなりません。

質問1

片柳→川崎市の子どもの権利条例の11条では「ありのままに自分でいる権利」にふれているがどういう内容の権利か、お答えください。

担当者→(2)自分の考えや信仰を持つこと、など、下表の内容を答弁。

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質問2

片柳→この11条には「信仰を持たない自由」も含まれると考えて良いでしょうか?

担当→当然含まれる

質問3

片柳→子どもの権利条例35条の「相談及び救済」では、子どもは人権オンブズパーソンに相談し救済を求められるとしています。また市はオンブズパーソンその他の関係機関と連携して対応するとしています。どんな機関とどんな連携を想定しているのでしょうか?

担当→法務局、人権擁護委員、シェルター、民生委員、弁護士、警察などの機関と連携する、と回答。

質問4

片柳→委員会の資料として10月6日の厚生労働省通知が出されていますが、その前提となった9月30日の『「旧統一教会」問題関係省庁連絡会議』の第2回会議では、こどもの救済としてどんな具体策が提起されたのか、伺います。

担当→スクールソーシャルワーカーによる連携支援、スクールカウンセラーによる心のケア、児童相談所による虐待対応、人権擁護活動などが提起されている(下図)

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質問5

片柳→委員会資料と同じ10月6日に法務省と文科省からそれぞれ連絡会議を受けた通知が出されていますが、どのような内容か伺います。

担当→法務省からは、自ら声を出せないこどもへの対応として人権啓発や支援につないでいくこと、文科省からは心理・福祉的観点からスクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカーの対応を行うことなどの通知が出されている。

質問6

片柳→これらの政府の通知を受けて、川崎市はどう対応するのでしょうか。

担当→これまで述べてきた対応を中心にして対応していきたい。

要望

特に新しい対応をするわけではないということでしたが、政府が『統一教会問題関係省庁連絡会議』を開いて対策を打ち出したのは、虐待があっても宗教が関係している場合には消極的な対応をしてしまっていたという実態があったからではないでしょうか。そういうことがないように対応してほしいと思います。

陳情の取扱い

政府の「関係省庁連絡会議」を踏まえた通知が出されています。それから2カ月経っていますが対応はこれからという状況です。「2世問題」は知られるようになって日も浅く、ここで言われたように、宗教を理由にした虐待などの実態があるのに、消極的な対応がされることがあってはなりません。そういう点で、陳情が求める「迅速かつ適切な救済」はまさい必要だと考えます。そのため「採択」としたいと思います。


自民、公明、無所属2人は継続審査を主張、みらいは不採択を主張し、この陳情は「継続審査」となりました。

片柳すすむ

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