片柳すすむ

かたやなぎ 進
日本共産党前川崎市議会議員
プライベート

かわさき演劇まつり『冒険者たちーガンバと15匹の仲間』を観劇

2021年8月2日

7月31日と8月1日、かわさき演劇まつり『冒険者たち―ガンバと15匹の仲間』を観劇してきました(実行委員会と文化財団が主催・川崎市と市教委が共催)。

 かわさき演劇まつりは、市内の演劇関係者の皆さんと公募で集った市民がプロの脚本・演出で舞台を作り上げていきます。私の長男も前回に続き出演。「忠太」という大役を、先輩方に支えられ頑張り抜くことができました。

 ダブルキャストで2日間で4ステージ。初日の午前は実家の家族とともに父の介助をしつつ。2日目の午前は2番目と末っ子と観たら、末っ子が「白羽ちゃんの忠太も見てみたい」というので午後も続いて観ました。

 さらには長男が役作りのために買っていた原作も一気読み。ガンバワールドにはまりこんだ数日でした。自分なりの感想を書きます。

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ネズミたちのように分断を乗り越えたい

 酒と食べ物・歌と踊りでネズミたちを誘い分断する強く悪賢いイタチたちとその首領ノロイ。時には噓の情報や、首領から降りたように見せかけてネズミたちを追い詰める。

 ネズミたちは元々は島でイタチに大半の仲間が殺されてしまい、倉に逃げたものとほら穴に逃げたものと島の外に助けを求めにいったもの(忠太)&その求めに答えて協力に来たもの(ガンバたち)とで立場が違う。

 この場で生き延びれるはずはないのに目の前に食べ物があってその場はしのげる倉ネズミは、ガンバや忠太たちを疎んじる。イタチはそこにつけいり分断をはかり一網打尽にしようとする。

 何度も分断され危機に陥りながらも、最後は自らイタチの本性を見せるために自ら犠牲になったオイボレの献身で立場の違うネズミたちが結束して、同じくイタチに家族を殺されたオオミズナギドリの力を借りて打ち克つ。

どうしても自分のフィールドに引き付けて感じてしまいますが、ネズミたちと同様に分断を乗り越えて虐げられてきたものたちが力をあわせて、人間世界のイタチを倒したいと思いました。

今いるのはたたかいの場

劇中で泣かされたのは、ノロイたちが魔力をこめた歌でネズミたちを誘い出そうとするのに対し、登場人物のシジンが歌で仲間の目を覚まさせ、仲間たちも少しずつ歌に加わり、最後にはノロイたちの歌を抑え込むシーン。歌の完成度と熱量に引き込まれましたが、歌詞にも感激しました。

・憩いも慰めも今は無縁だ、戦いに戻れ
・戦うこと、それが生命をほめたたえること
・戦い続けること、それが命の証だ
・戦いは思い出などはない、戦いは常に今だ

というような歌詞。

戦争ではなく、生き抜くためのたたかい。弱い存在を抑圧し生存を否定するものから身を守り生き延びようとすればたたかうしかない。

そうなんだ、自分たちが今いるのはたたかいの場なんだ、とシジンに教えられました。

文化は生きるために必要

本当に素晴らしい舞台でした。

気づけばあおばの演じた忠太だけを観ているのではなく、舞台に集中し続けていました。完全に引き込まれました。

観た後も、「オイボレ」が島にいたトキだとなぜ忠太もその父も気付かなかったのか、七郎たちの葛藤、潮路とガンバの思い、観劇後も反芻して繰り返し考えたりあおばと話したりしています。そして次男とそっくりのボーボがなぜ「あーっと言ってみたかった」のかをボーボ的な子どもたちのことに引き付けて考えてツレアイと語ったり、あおばや子どもたちと場面場面を思い出してはセリフを言ったり歌を歌ったり。この一週間、精神的に豊かな時間を過ごしています。

「文化は生きるために必要だ」とつくづく感じています。

おまけ①

長男は本当に頑張りました。寝室の壁じゅうにセリフを書いて貼って頭に叩き込みました。はじめての大役を頂いたからこそできた挑戦でした。成長の機会を頂いた演出の大谷さんに感謝です。

私は送迎しかできなかったですが、自宅での稽古を支えてくれたツレアイと、あおばと一緒に遊びたいのに沢山がまんした弟・妹にも感謝です。

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おまけ②

いま仕事先のひとつの川崎南部地区委員会事務所が改修工事をしています。築30年なのでネズミが住み着いて事務所のあちこちをかじって穴があいていました。

川崎の町ネズミのカリックやアナホリたちは罠にかかって地区委員会のおじさんたちに捕まってしまいました。「息子がネズミ役で頑張るので命だけは…」と懇願しましたが、「もう処分しちゃったよ(笑)」とのことでした…

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片柳すすむ

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