片柳すすむ

かたやなぎ 進
日本共産党前川崎市議会議員
市議会傍聴レポート(議会活動報告)

【一般質問】生活保護を「申請」する権利が後退してはならないー支所での受付継続を

2021年6月25日

6月21日の一般質問の続報です。質問テーマは<①休日診療所と市・区役所のトイレの非常時での対応について、②市立学校の校則のあり方について、③学校での1人1台の端末のあり方について、④ホームレス支援について、⑤大師支所・田島支所での生活保護申請について>です。
今回は【⑤大師支所・田島支所での生活保護申請について】の報告をします。

*正式な議事録ではありません。正確なものは議会からの発表後にご確認ください。

質問① 支所での生活保護開始申請の件数は?

次の質問です。先日の文教委員会の際、「生活保護申請の窓口を大師・田島支所から区役所に一元化することも含め検討している」との答弁がありました。このことは、国民の生存権を守る最後の砦である生活保護制度が利用できなくなる、あるいは制度利用に支障をきたす重大な問題です。まず福祉事務所ごとの2020年度の生活保護開始申請の件数を健康福祉局長に伺います。

答弁 健康福祉局長

令和2年度の開始申請の件数は、川崎福祉事務所 689件、大師福祉事務所 362件、田島福祉事務所 476件、幸福祉事務所 362件、中原福祉事務所 368件、高津福祉事務所 435件、宮前福祉事務所 412件、多摩福祉事務所 419件、麻生福祉事務所 191件でございます。

質問② 生活保護法で「急迫保護」「14日以内の決定・通知」などが定められているのは?

4 支所 生活保護

大師・田島では他の6区の福祉事務所並みの生活保護申請があったとのことです。以前の文教委員会資料では生活保護開始申請の手続き完了までの一般的な来庁回数を「2~3回」としています。役所に相談に行っても、次の回に銀行通帳など必要書類を持参してまた役所に行かなければならない、などのことがあるからです。区役所への一元化がされれば区役所への3回の往復でバス代が1200円以上もかかる、ということになりかねず、年間800人超の方の保護申請の権利に支障をきたす事態になりかねません。
生活保護法では、4条で急迫した事由がある場合の保護について、24条で生活保護申請があった場合に14日以内に決定し通知をすることについて、定められています。こうしたことがなぜ定められているのか、健康福祉局長に伺います。

答弁 健康福祉局長

保護の開始の申請から決定の通知までの期間につきましては、原則として14日以内とされておりまして、これは、福祉事務所において適正な保護を実施するための調査を可能な限り迅速、的確に行うことで、早急に、申請された方の生活の安定を図るために定められているものでございます。

質問③ 国民の権利である保護申請が後退することがないよう、支所に窓口を残すべき

生活に困窮した市民を迅速に保護し生存権を保障するため、ということです。迅速な保護が必要だからこそ、こうした規定ができたのですから、区役所に一元化することで生活保護制度の利用ができなくなること、1日や半日でも保護の開始が遅れることがあってはならないのではないでしょうか。

戦前の「救護法」や、旧生活保護法では「素行不良な者」「怠惰な者」などは生活保護を受ける資格がないとされ、市長などが認めた場合にしか保護が受けられませんでした。しかし現在の生活保護法では、権利として国民が自ら生活保護を申請する「保護請求権」が確立されました。

これまで議会で、「支所管内の皆様に、今まで以上に専門的・機動的な保健・福祉サービス等が提供できるよう検討する」との答弁がされてきましたが、市民の生活保護を申請する権利が後退することがあってはなりません。福祉事務所の一元化はすべきではありません。少なくとも生活保護申請の窓口は支所に残すべきです。これらについて市民文化局長に伺います。

答弁 市民文化局長

川崎区役所及び支所の機能再編についての御質問でございますが、
生活保護を含む大師福祉事務所・田島福祉事務所が所掌する業務の申請窓口は、令和5年度を目途として、川崎区役所地域みまもり支援センターヘ一元化し、複数の専門職による多職種連携体制の強化など、現在、3管区に分かれて配置している職員の力を、今まで以上に効果的に発揮できる体制を構築することで、より専門的・機動的な支援を行ってまいります。

また、機能再編に向けては、区役所へ出向くことが負担となる方々への配慮として、支所で受理した申請書の川崎区役所への回送や、相談者の状況に応じた対面による相談を支所で行う場合の運用など、手続ごとの性質等に応じて検討を進めてまいります。

意見・要望 生活保護の申請窓口は、生存権を守るために重要

生活保護申請窓口は、生存権の一部である保護請求権を保障するために極めて重要です。くれぐれも、生活保護を申請し保護を請求する権利が後退することのないよう、支所に窓口を残すことを要望します。

片柳すすむ

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