片柳すすむ

かたやなぎ 進
日本共産党前川崎市議会議員
市議会傍聴レポート(議会活動報告)

『校則』―文科省の通知ふまえ「生徒が校則をかえていい」とのメッセージを

2021年6月22日

6月21日、本会議で一般質問を行いました。質問テーマは<①休日診療所と市・区役所のトイレの非常時での対応について、②市立学校の校則のあり方について、③学校での1人1台の端末のあり方について、④ホームレス支援について、⑤大師支所・田島支所での生活保護申請について>です。
今回は、②市立学校の校則のあり方について を報告します。

*正式な議事録ではありません。正確なものは議会からの発表後にご確認ください。

質問① 文科省の「校則の見直し」通知への対応は?

全国的にいわゆる「ブラック校則」が問題になっていることなどを背景に、文科省から「校則の見直し等に関する取り組み事例について」との通知が出されました。その要点は「校則の内容や必要性について児童生徒・保護者との共通理解を持つようにすること」「児童生徒が話し合う機会を設けるなどしながら常に見直すこと」「校則の見直しは児童生徒の主体性を培う機会となること」などで、岐阜県教育委員会が校則を改定する際の手続きを明文化した事例等を紹介しています。

この文科省通知を受けてどのように対応したのか、教育次長に伺います。

答弁 教育次長

国からの通知への対応についての御質問でございますが、
令和3年6月8日付けで、文部科学省から「校則の見直し等に関する取組事例について」通知があり、取組事例を参考としながら、校則の見直し等に取り組むことが示されたところでございます。
本市では、これまでも、子どもたちが主体的に話し合い、より良い学校生活を送るためのルールづくりを進めてまいりましたが、当該通知も参考としながら、各学校での取り組みも踏まえ、児童生徒の実態に応じて適切に対応するよう、 6月9日付けで各学校あてに依頼したところでございます。

質問② 市の規則では「校則」についてどう決めている?

次に、現在の川崎市の規則では、校則を定める主体を誰としているのか、校則を変更する場合の手続きについてどう定めているのか、教育次長に伺います。

答弁 教育次長

学校生活の約束等についての御質問でございますが、
文部科学省が生徒指導の基本を定めた「生徒指導提要」には、校則について定める法令の規定はないこと、また、校則を制定する権限は学校運営の責任者である校長にあり、各学校の校種、児童生徒の実情、地域の状況、校風など、学校がその特色を生かし、創意工夫ある定め方ができることが示されております。
本市の学校では、一般的に「校則」としてではなく、学校生活の約束や心得などとして示しているところでございます。
これらを変更する場合の手続きにつきまして、本市の規則等に特段の規定はございませんが、各学校では実情に応じて、生徒や保護者の声なども踏まえながら、必要な見直しに取り組んでいるところでございます。

質問③ 「校則」児童生徒が自らを変えられる仕組みづくりを

文科省が紹介した岐阜県教育委員会の担当者は「(校則改定プロセスを)明文化することで、生徒に『校則はかえられるものだ』という認識を持ってもらい、時代に合った教育環境を作っていってほしい」と述べているとのことです。全国で児童生徒と学校、保護者の三者協議会などを通じて、子どもの意思を尊重しつつ校則を改善する取り組みが広がっています。

本市の子どもの権利条例14条では「子どもは自分に関することを自分で決めることができる」「自分に関することを年齢と成熟に応じて決める権利が保障されなければならない」としています。この条例の解説では、子どもの参加をすすめ、子どもが「市民」としての自覚を持つことが、子どもの成長にも極めて大切で、勉学や生活に張りが持てるようになる、としています。まさに今回の文科省の通知を約20年先取りした内容です。

子どもの権利条例を持つ本市でこそ、岐阜県のような児童・生徒が主体的に学校の決まりや校則などを決められる仕組みをつくること、校則改定の手続きを明文化する取り組みをすることが必要だと思いますが、教育長に伺います。

答弁 教育長

学校生活の約束等についての御質問でございますが、
児童生徒が健全な学校生活を送るためには、集団生活の場での一定のルールが必要であり、そのルールを変える際には、何よりも児童生徒自身が約束やルールを守ることを通して、より良い学校を作っていこうとする意識を育てていくことが大切であると考えております。
また、各学校のそれまでの児童生徒指導上の課題と、その対応の経緯や、地域からの声などを踏まえることも必要であり、さらに、教職員においては一人一人を大切にする児童生徒指導のあり方を十分に認識することが重要であると考えております。
そのうえで、社会の常識や時代の進展なども考慮し、児童生徒の声や保護者の考え方をどのように取り入れていくのか、各校の実情に応じて検討されるべきものと考えております。

意見・要望 児童生徒に「学校のルールを作る主体は子どもだ」とメッセージを

文科省の通知が求めているのは、児童生徒に「学校のルールを作る主体は子どもだ」とメッセージを出すことだと思います。

本市でも肌着のあり方が大問題になり、その他にもブラック校則や疑問をもたれるような学校のルールが今議会でも取り上げられています。何より子ども自身が「学校のルールは変えられるんだ、変えてもいいんだ」と自覚して、声を上げられるようにすることが重要です。そして、その声に学校が寄り添って応えていくことが大事だと思います。

「各学校の実情に応じて検討されるべき」という答弁は、教育委員会が物事を押し付けず、学校現場の意思を尊重する姿勢としては重要だと思います。しかし教育委員会が「学校のルールは子どもが自主的に変えていいんだ」という主体性を励ますメッセージを出すこと、そして子どもの声に耳を傾けることは、矛盾せずできることだと思います。要望し、今後の取り組みを期待したいと思います。

片柳すすむ

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