片柳すすむ

かたやなぎ 進
日本共産党前川崎市議会議員
市議会傍聴レポート(議会活動報告)

予算審査特別委員会 教員の「定数内欠員」解消を

2021年3月10日

予算審査特別委員会での質問。今日は、教員の「定数内欠員」について取り上げた部分です。

―ほかに、①ヘイトスピーチ、②少人数学級、③図書館のあり方、④高校奨学金について、のテーマで質問を行いました。
*正式な議事録は後日議会から発表されるものをご覧ください。

長期間「臨時任用教員」として学校現場を支えている現状は?

定数内欠員についてです。
学校現場は多くの臨時的任用教員の皆さんに支えられています。臨時的任用教員は、欠員の補充や産休代替として任用される教員で、正規の教員と同様の業務、つまり学級担任なども担当しています。しかし任用期間は最長で1年のため、こどもや保護者から見ても「この先生は来年もいてくれるのだろうか」ということになります。
この不安定な臨任教員としての経験年数が5年以上、10年以上、20年以上という方はそれぞれ何人いるのか伺います。今年度5月1日時点での定数内欠員数、今年度末で退職する教員の見込み数、教員採用試験の合格者数についても伺います。

答弁 教育次長

臨時的任用教員についての御質問でございますが、
はじめに、今年度12月1日現在の臨時的任用教員等の経験年数別の人数につきましては、全校種の合計で、5年以上10年未満が101人、10年以上20年未満が 55人、20年以上が 6人、でございます。
次に、今年度の定数確定の基準日である5月1日時点の教諭の欠員数は、全校種の合計で、 223人でございます。
次に、今年度末での教育職の退職見込み者数は、全校種の合計で、 216人でございます。
次に、今年度の教員採用候補者選考試験の合格者数は、全校種の合計で、 250人でございます。

少人数学級の拡大を見通し、欠員解消すべきではないか

臨時的任用教員として5年から10年勤務されている方が101人、10年から20年は55人、20年以上の方も6人おられるとのことです。

定数内欠員-1
定数内欠員は223人、退職者数は216人程度を見込んでいるので、439人の教員が不足することになりますが、それに対する新規採用予定者は250人ですから、約200人の欠員を前提とした採用計画と言わざるを得ません。
昨年まで7年間の教員採用試験の合格者数は、ほぼ同水準で推移して平均364人でしたが、今年は250人と前年の約7割です。

定数内欠員-2

中学校・高校では前年の6割を切っています。

定数内欠員-3

少なくとも例年と同程度の人数を採用すべきだったのではないでしょうか。伺います。来年度以降、少人数学級の拡大を見込んでどのように採用計画を改めるのか伺います。また今後、中学校まで少人数学級を拡大することを視野に入れることが必要です。中学校教員の採用を増やして定数内欠員を減らしていくべきと考えますが、伺います。

答弁 教育次長

今年度の採用者数についての御質問でございますが、
教員採用候補者選考試験の合格者名簿登載者数の決定にあたりましては、例年と同様に定年退職予定者数と普通退職など定年以外の退職者見込み数等を基準に、新規採用者と併せて、定年退職者の再任用等を見込んだうえで算出したところでございます。
また、少人数学級につきましては、小学校の学級編制の標準を改正する法案が閣議決定され、議案として国会に提出されているところですので、まずは小学校における必要な教員数の確保に向けて取組みを進め、計画的な35人以下学級を推進するとともに、中学校につきましては、引き続き、今後の国の動向等を注視してまいります。

明確に「定数内欠員を抜本的に減らす」という決意で、数値目標も明らかに

今年度の定数内欠員223人のうち217人は臨時的任用教員で解消されています。そのうち直前の採用試験では不合格とされたものの、その後臨時的任用教員として採用された方が140人に上ります。

定数内欠員-4

採用試験では落とされたのに、結局教育現場では全く同じ業務内容を務める。それなのに次年度の仕事は必ずしも保障されない。学校で真摯にこどもと向き合えば向き合うほど、次年度の採用試験の勉強や準備ができなくなる、こうした不合理を続けるべきではありません。
定数内欠員を臨任で埋めるというあり方を改め、定数内欠員を抜本的に減らすという意思を明確に持ち、数値目標を明らかにすべきです。教育長に伺います。

答弁 教育長

教員の確保についての御質問でございますが、継続的に安定した教育活動を展開していくためには、本市全体の教員の年齢構成をバランス良く保ちつつ、計画的かつ慎重に職員配置を行っていく必要がございます。
教員の採用にあたりましては、児童生徒数を基準とする学級数の変動や定年退職以外の退職者の動向、採用選考試験や再任用の応募状況など、様々な不確定要素がございますが、長期的な視点に立って、優秀な新規採用教員と経験豊かな再任用教員の確保を計画的に進めてまいります。

要望

明確な答弁がなかったのは残念です。定数内欠員を臨時的任用教員で穴埋めするというあり方を改めるという明確な方向性を持ち、数値目標も明らかにして取り組んでいくよう要望します。

片柳すすむ

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