片柳すすむ

かたやなぎ 進
日本共産党前川崎市議会議員
市議会傍聴レポート(議会活動報告)

川崎臨海部・コンビナート地域での大規模災害-あらゆる危険を想定した対策を

2018年12月20日

19日の一般質問。テーマは①カルッツかわさきの冷房利用料金、②京町への大型スーパー出店、③富士見プールの再整備、④労働会館ホールの設備等、⑤臨海部防災対策、の5つでした。今日は臨海部防災対策について報告します。

「大規模災害」とはどんな災害か、なぜ「大規模災害」を想定したのか

川崎市臨海部防災対策計画についてうかがいます。この計画は、コンビナート地域を対象に「神奈川県石油コンビナート等防災アセスメント調査報告書」による被害想定をもとにしたものです。この報告書は、地震・津波災害とコンビナートの大規模災害を想定しているのが大きな特徴ですが、ここで言う「大規模災害」とはどのような災害なのか、うかがいます。また、この調査報告書で大規模災害をなぜ想定することとされたのか、その理由・背景をうかがいます。

答弁① 危機管理監

「神奈川県石油コンビナート等防災アセスメント調査報告書」についてのご質問でございますが、本調査につきましては、総務省消防庁の「石油コンビナートの防災アセスメント指針」に基づき、県が平成25年度から二力年かけて実施し、報告書にまとめたものでございまして、石油コンビナート等特別防災区域において発生する可育昌性がある災害として、平常時の事故、地震による被害、大規模災害による被害、津波による被害、の4つの事象を対象としております。
このうち、大規模災害につきましては、石油類の流出による防油堤外や事業所外へ拡大、また、石油類や可燃性ガスの火災・爆発が隣接施設を損傷し、さらに拡大するような災害でございまして、東日本大震災における千葉県市原市で発生したLPGタンクの爆発・炎上事故を踏まえ、高圧ガスタンクの爆発的蒸発現象であるBLEVE (ブリーブ)や製造施設の爆発火災等の発生確率は極めて少ないものの、発生する可能性が否定できない災害を想定したものでございます。

川崎臨海部コンビナートが最大規模の災害を起こした場合、どんな被害を想定しているのか

 市の臨海部防災対策計画では、コンビナート地区で大規模災害が起きた場合、具体的には高圧ガスタンクが最大規模の大規模災害・ブリーブを起こした場合に、どれだけの被害が起こりうると想定しているのか、うかがいます。まず、屋内避難の対象となるのは夜と昼間でそれぞれ最大何人となるのか。次に、その場合はどのような危険を想定しているのか。また、どこまで避難対象地域が及び、ガスタンクから最も遠い町名はどこか、うかがいます。

答弁② 危機管理監

大規模災害が発生した場合の想定についての御質問でございますが、最大規模の災害が発生した場合の想定といたしましては、屋内避難対象地区の人数は、夜間が224,010人、昼間が268,544人でございまして、被害としては、約8秒間受け続けると火傷を生じる熱量、家の天井の一部が破損し、窓ガラスの10%が破壊されるとされる風圧、タンクの破裂等による破片の飛散が想定されております。また、避難対象地域は川崎区及び幸区幸町2丁目までが該当しております。

川崎区に加え幸区の一部まで被害は拡大する想定-大規模災害の発生を低減させる対策を

川崎市が臨海部防災対策計画で想定する最大の場合、川崎区全体と幸区の一部まで最大約27万人が屋内避難の対象になり、それは、放射熱、爆風の風圧、破片の飛散がそこまで及ぶことが想定されるからだ、ということです。

スライド1

スライド2

そうした危険がコンビナートにはあるということを踏まえたうえで、たとえ確率が低くとも大規模災害は「起こりうるもの」として対応しなければなりません。
そこで、県の「石油コンビナート等防災アセスメント調査報告書」では、大規模災害の発生危険度を低減させるための対策を明らかにしていると思いますが、それはどのような内容かうかがいます。

答弁③ 危機管理監

大規模災害の発生危険度の低減策についての御質問でございますが、「神奈川県石油コンビナート等防災アセスメント調査報告書」におきまして、平常時及び地震時における災害の拡大防止対策に加えて、事業所と防災関係機関が主体となる3つの対策が求められております。
まず、大規模災害の危険源の把握と具体的な災害の想定として、大規模災害に発展するおそれのある危険源をあらかじめ把握し、適切な評価に基づき減災対策を講じるとともに万一発生した場合においても迅速な対応が取れるように影響の規模や必要な対応力を把握しておくこと、次に、人材育成の徹底として、誤操作等のヒューマンエラーや不安全行動の防止の一層の徹底、さらに、事故情報の共有として、重大事故の背景には過去にも類似災害が発生していることを踏まえ、社内外における事故情報の広い共有、となっております。
今後とも、本市臨海部防災対策計画に基づき、事業所や国・県・その他の関係機関と連携し、臨海部の防災対策の向上に向けた取組を推進してまいります。

大規模災害の「危険減」を把握し、国・県と連携し、あらゆる事態を想定して大規模災害を起こさない対策を

コンビナートでの大規模災害は、ひとたび起これば川崎区にとどまらない被害をもたらすこととなります。また風向きなどによれば被害はこの範囲にとどまりません。答弁された「危険源をあらかじめ把握」し、「ヒューマンエラーの防止」を徹底すること、また国・県その他の機関と連携し、あらゆる事態を想定して、こうした大規模災害を起こさないように対応していただくことを要望して質問を終わります。

片柳すすむ

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