片柳すすむ

かたやなぎ 進
日本共産党前川崎市議会議員
プライベート 活動レポート

許せないヘイトスピーチと、ホントは許したいから反省してほしい『ゆず』の歌詞

2018年4月12日

日本第一党党首を称する桜井氏の「(ヘイトスピーチ関連の)条例と法律をつくった人間を木からぶら下げる」という発言、最低です。私は以下のような関東大震災の際の虐殺を想起しました。こんな発言は絶対に許せません。

「なぶり殺しにした朝鮮人の死体を…桜並み木の、川のほうにつきだした小枝に…二百以上の木のすべての幹に、血まみれの死体をつるす」
https://t.co/raYi6eZ8BC

引用した関東大震災の際の虐殺証言の舞台は、実家近くの横浜市南区~磯子区の堀割川べり。私はまさに根岸橋の近くの保育園に通っていました。
この証言に類する「地元で虐殺があった」という話を聞いたとき、本当に戦慄しました。日本は、上の証言のようなジェノサイドの少し手前まで来ているという危機感を禁じ得ません。

根岸駅から磯子区岡村の実家への帰りに堀割川を磯子橋で渡るとき、川の両岸を走る車のヘッドライトとテールライトが、川面に映る光景がとても幻想的で好きでした。
ここでほんの3~4世代前に虐殺があったことなど、そういえば小中学校時代には習わなかったのを思い出しました。そういえば「証言に類する話」は、隣の根岸中学校に通っていた同じ高校の後輩、10歳年下のミヤくんから聞いたことでした。

▽この国に生まれ 育ち 愛し 生きる
なのに知らないことばかりじゃないのか
▽外国人の友達が言いました。
「もう二度とあんな戦いをともにしないように」と
▽この国に生まれ 育ち 愛し 生きる
なのに どうして胸を張っちゃいけないのか

この歌詞を書いた彼と私がいた小学校と中学校の学年で、関東大震災の虐殺の事実を深く学ぶことはありませんでした(さらっとくらいは触れたのかもしれないけど覚えていない)。

「どうして胸を張っちゃいけないのか」?
それは「知らないことばかり」だからだと思います。

90年前に堀割川・根岸橋で起きていたことを知らず、靖国神社と「靖国の桜」がどういう意味を持っていたのかを知らないで、胸を張っていいと思うの?
もし「知らない」のならどうよ?何百万人ものファンがいて、年若いファンも多く、朝鮮や中国をはじめ日本に侵略されたアジア諸国に連なるファンもいるはずだけど、そういう人たちにも胸を張ってこの歌詞を歌えるの?
影響力、超大きいんだよ?

「音楽に政治を持ち込むな」というつもりは全くありません。
「靖国の桜」がどういう意味を持つのか、知らなかったのならダメだし、知っていて歌詞にしているならなおダメだと思うのです。

高橋哲哉東京大学大学院教授は、靖国神社の存在意義について、以下のように答えています。
(http://www.mammo.tv/interview/archives/no198.html)

靖国神社は戦争で亡くなった将兵を祀っているわけですが、もっと大きな括りで見ると、戦前の大日本帝国がつくった国家神道という装置の一部として存在していました。つまり国民の精神を戦争に向けて動員していくシステムだったのです。軍の将兵の戦意を高揚させるのも勿論ですが、死ねば国民の最高の模範になり神となって祀られる。つまり英霊になるわけです。だから戦死はむしろ誇りに思うべきことだ。そうやって遺族の感情を宥め、戦死を肯定させていった。さらに一般の国民には、英霊が日本国民の最高の模範なのだから「彼らに続け」というメッセージを発しました。そういう形で日本国民、植民地の人たちも巻き込んで戦争に邁進させて行く精神的な装置でした。

ゆずの歌詞に出てくる「靖国の桜」は、軍歌『同期の桜』のように靖国神社のこの役割を象徴するものです。

だから、
「TVじゃ深刻そうに 右だの左だのって だけど 君と見た靖国の桜はキレイでした」
じゃなくて、
「君と見た岡小の『桜道』はキレイでした」
とでも、今からでも変えてほしいと思う。
本気で考えてほしい。
頼むよ。

彼ら二人も、自分が共産党の市議会議員をしていることを聞いているだろうし、もしかしたらこの投稿も見るかもしれない。
いまは関わる機会などはほぼないし、友だちと思われているかどうかはわからないけど、同じときを同じ場所で過ごした同級生として、言うべきことは本音で言いたいと思う。
この二日間悩んだけど、そんな思いで書きました。気分を害した人もいるかもしれませんが、自分なりの気持ちの表しかたです。どうかご容赦ください。

画像は実家の前の桜の木。自分が卒業した岡村小学校の桜の写真がほしかったけど、ないからかわりに。

片柳すすむ

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