片柳すすむ

かたやなぎ 進
日本共産党前川崎市議会議員
活動レポート

「300億円の大開発」=川崎アプローチ線の予定地視察

2018年4月5日

4月4日、川崎アプローチ線の現地視察を行いました。わかりやすいよう概略図をつくりました。皆さんからご意見をいただいて少しずつこの図もバージョンをあげてきましたよ。

アプローチ線概略図

川崎市が推進しようとしている300億円かけた大開発事業で、現在【尻手―浜川崎】間を走るJR南武支線を、【川崎―浜川崎】へとルートを変更するものです。そのため八丁畷駅付近(国道15号)から川崎駅までの線路を高架で新設するという計画です。
視察のルートに沿ってポイントと問題点を紹介していきたいと思います。

川崎駅

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川崎駅の東海道線ホームは混雑緩和・安全対策のため拡幅されることになっていますが、この写真のさらに手前側(東側)には、まだスペースが空いているのがわかります。右写真の砂利の前で止まっている線路がアプローチ線のための線路ではないかと思われます。私たちのいるこの駐輪場もJRの所有地で、線路やホーム、関連施設を作ることを念頭において(駐輪場ならいつでも撤去でき、転用できる)土地が運用されていると思われます。

日進町市営住宅付近

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以前にあった貨物線の鉄橋跡が確認できました(赤丸部)。こういう過去の遺構のようなものを見つけると興奮します(笑)。タモリさんほどの博識ではないですが「ブラタモリ」的な気持ちになります。そもそも日進町市営住宅も路線跡につくったものです。「アプローチ線」は市営住宅を迂回して走る予定とされおり、住宅裏にはアプローチ線の予定路線と思われる線路が配置されています。

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ふれあいプラザ前

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こども文化センターや、視覚障がい者のための情報センターなどが入る「かわさきふれあいプラザ」(4年前に完成)、近隣の民家、コンビニエンスストアなどは、取り壊さなければアプローチ線を建設することはできません。
奥に見える市営住宅から旧貨物線の線路跡に建てられているので、写真を見ても一定の角度で湾曲しているのがわかると思います。市営住宅―ふれあいプラザ、というルートで線路が計画されています。

京急跨線ガード跡

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京急の線路脇・駐輪場隣りに、貨物線があったときに京急の線路を跨ぐためのガードの跡が残されています。赤レンガ造りの歴史を感じさせる建造物です。アプローチ線もここで京急の線路の上を通って、その先の国道15号付近で従来の南部支線と接続する計画となっています。

新八丁畷駅想定地

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現在の南部支線を廃止して、アプローチ線をつくるということになれば、川崎新町~八丁畷~尻手間は旅客線としては使われなくなります。そのため、川崎アプローチ線の八丁畷駅を新設するという計画もあるとのことです。その予定地は現在の八丁畷駅(京急・JR)との最短距離となるこのあたりではないか、と考えられます。

国道15号線脇

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現在JR南武支線、貨物線の線路とここで接続し、以降の浜川崎駅までは既存の線路を使用することが予測されます。旧貨物線のときに使われていたと思われる鉄塔(昭和5年、との記述がありました)が残っています。

浜川崎駅付近

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広大な「南渡田地域」ですが、この「南渡田」という住所には民家などはなく、ほぼすべてJFEが所有する工場などで、一部「THINK」の用地とされています。

*THINK(テクノハブイノベーション川崎)

THINKは川崎市の方針のもと、民間主導により川崎臨海部渡田地区で進められているサイエンスパークです。JFEグループの既存研究開発施設をフル活用して、新事業の創出、新分野への支援や産学連携共同研究の実現を目指しています。(川崎市サイトより)

まとめ―臨海部企業の要求にもとづく「開発ありき」ではなく、市民のくらし支える市政を

市議会で共産党が「なぜ収支採算性に課題があるといわれている路線を、300億円もかけて整備しなければならないのか」と質問したところ、市臨海部国際戦略本部長は「臨海部に働く方々からのヒアリングなどでも交通機能強化のご意見をいただいた」と答えています。

一方でこのアプローチ線を「リーディング(先導)事業」と位置づけた『臨海部ビジョン』を策定する際には、上記のように臨海部企業やそこで働く若手正社員などへのヒアリングなどは行われていますが、南武支線の沿線住民や地元地域の住民、臨海部などで活動する市民団体などには一切意見聴取は行っていません。
市民不在で、300億円もの鉄道路線新設計画を進めていいのか、市の姿勢が問われます。
アプローチ線予定地の多くは、すでに市が買い上げて市有地となっています。川崎駅にも近く、不足している認可保育園を作るのにうってつけの土地です。また多くの方がなくなった火災事故の起きた簡易宿泊所のある地域でもあります。高齢者と共に、若者や子育て世帯をふくめて住居に困っている方々を受け入れる「福祉ゾーン」として活用することも可能ではないでしょうか。
臨海部大企業の望む「大型開発ありき」ではなく、市民の暮らしに寄り添う施策こそ求められています。

片柳すすむ

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