片柳すすむ

かたやなぎ 進
日本共産党前川崎市議会議員
市議会傍聴レポート(議会活動報告)

決算審査ーこどもの医療費助成「1回500円」の一部負担金と『こどもの貧困』

2022年9月25日

決算審査特別委員会・文教分科会(1日目)で、地域の安全対策、在留資格のない外国人の人権、子どもの医療費助成制度について質問しました。
今回は『こどもの医療費助成「1回500円」の一部負担金と「こどもの貧困」』のテーマを報告します。

(この記事はメモに基づくもので議事録ではありません)

質問① 「一部負担金」の効果額は?

4款1項3目 こども家庭事業費、小児医療費助成制度について伺います。

まず2018年度から2021年度までの一部負担金の効果額を伺います。次に小学校4年生から中学校3年生まで一部負担金を求めた場合に想定される効果額について伺います。

答弁 こども未来局 こども家庭課長

小児医療費助成制度についての御質問でございますが、

一部負担金の影響額につきましては、平成30年度は約1億2千万円、令和元年度は約1億2千万円、令和2年度は約1億円、令和3年度は約1億1千万円でございます。

制度拡充により、対象者を中学3年生まで拡大し、一部負担金を従来通りとした場合、令和4年度予算額を基に試算しますと、年間、約3億5千万円程度と見込まれます。

質問② 県内で「一部負担金」を実施しているのはどの市?

今回、本市が小児医療費助成制度の拡充を行う理由の一つが、「周辺都市の状況をふまえて」とのことですが、神奈川県内の市町村で小児医療費助成制度に一部負担金があるのはどことどこか、自治体名をお答えください。

答弁 こども未来局 こども家庭課長

小児医療費助成制度についての御質問でございますが、

神奈川県内の市町村で一部負担金制度がある自治体につきましては、令和4年4月現在、本市の他、横浜市、相模原市、茅ケ崎市で導入していることを確認しております。

質問③ 一部負担金と「子どもの貧困」との関係をどうとらえているのか

一部負担金制度によって、経済的に厳しい世帯の医療抑制が起こっていることが危惧されています。ある歯科医院では「小学校高学年から中学生くらいになると、家計の状況が分かるので歯科に来なくなる傾向がある。その後虫歯が増えて口腔崩壊につながる事例も多い」「そうなる前に小学校3年生のうちに治療が終わるように努力している」といった実態を伺いました。

一部負担金 聞き取り

2017年11月に市が発表した「子どもの貧困対策の基本的な考え方」では、小児医療費助成制度も含めて例示したうえで「既存の制度・施策の底上げをはかる」としました。住民税非課税世帯は一部負担金が適用されませんが、非課税世帯は4人家族の場合で所得170万円程度です。それをある程度上回るくらいの世帯には大きな負担になるのは当然です。一部負担金と子どもの貧困の関係、医療抑制を招き、子どもの発達とその後の健康に及ぼす影響をどのように把握しているのか、こども未来局長に伺います。

答弁 こども未来局長

小児医療費助成制度についての御質問でございますが、

一部負担金につきましては、制度の安定的かつ継続的な運用を図るため、維持すべきものと考えております。

ただし、低所得世帯への配慮として、市民税所得割非課税の場合には、引き続き一部負担金は求めないことといたします。

本制度につきましては、物価の高騰など、今般の社会状況が長期に継続することが子育て世帯の生活に長く影響を及ぼす可能陛があることから、安心して子育てできる環境を持続的に確保するため、子育て支援策の充実に向けた取組として、制度の拡充に向けた検討を進めることとしたものでございます。

一方で、子どもの貧困対策につきましては、本市の子育て家庭を取り巻く状況をしっかりと踏まえ、子ども・若者の健やかな成長・自立に向け、教育・福祉・保健・医療・雇用等、幅広い分野にわたる施策を総合的に推進し、切れ目のない支援を行う中で、必要な取組を進めてまいりたいと考えております。

要望

生活すること自体がギリギリで、声を上げることがなかなかできない世帯に、足を運び、目を向け、耳を傾けて、実態をつかんで上で、検討して頂きたいと思います。

片柳すすむ

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