片柳すすむ

かたやなぎ 進
日本共産党前川崎市議会議員
プライベート

川崎郷土・市民劇『お~い!煙突男よ 天空百三十尺の風』を観ました

2022年5月17日

長男あおばが女工「タエ」役を演じた、川崎郷土・市民劇『お~い!煙突男よ 天空百三十尺の風』を見てきました。
14日昼の会は実家の両親の付き添いで、15日はつれあいとこどもたちと一緒に観劇しました。

「とても良かったよ!」「あおばくん、難しい台詞もたくさんあったのに凄かったね!」と沢山の方から声をかけて頂きました。

舞台は「デイサービス・アルトで取材を受ける元女工のすず」の場面と、すずが回想する「昭和5年の煙突と女工の寄宿舎」の場面を行き来する構成でした。
稽古への送迎の際に度々見学しましたが「女工チーム」中心だったので、全体を通して観るのは当日が初めてでした。
時々笑えて、涙が出てきました。

煙突に上って女工さんたちの
「シラミや南京虫のわくせんべい布団が女工2人に1枚」
「食事は粗悪な米とタクアンばかり、味噌汁と言ってもヌカミソの味噌汁」
「沖縄と朝鮮の女工が『ろくに日本語もしゃべれない』と言われて特別に差別的な出来高競争をさせられる」
などの待遇の改善を訴えた煙突男。

結局、天皇の「お召し列車」が煙突下を通ることがきっかけとなり、争議は解決の方向に大きく動き煙突男も地上に降りることになるが、待遇改善の願いは実現しなかった。
「地球が回っているならそれで良しとする」と言って降りてきたが、その後煙突男はおそらくは弾圧されて亡くなったことが、すずを取材している新聞記者から語られる(史実では共産党員だったとのこと)。
ラストシーンは、すずが「いまもあの人は煙突の上で旗を振って私たちを励ましている」と話し、過去の「煙突男」の場面と「アルト」の場面が重なって「砕け散った願いが一つになる」との劇中歌。

【ここからは自分がどう受け止めたか、という話】

煙突男が待遇改善を訴えた90年前の日本と、「8時間働けばふつうに暮らせる社会」とキャッチコピーを打たなければならず、「大卒でも一度踏み外したら非正規から這い上がれない」(劇中のデイサービスの若い送迎ドライバー)今の日本はつながっているんだなあ。

「煙突男の言うとおり」と見物客から励ましの声。
いまも川崎区で「人間らしい働き方を」と訴える自分たちにあたたかい反応があったり、労働者への励ましが強い伝統があるのも、煙突男たちの歴史を引き継ぐさまざまな人たちがいたり、地域にそうした記憶がいろんな形で残っているからなんだろうなあ。

煙突男の実現できなかった願い、現代の「女工さん」たちの願いを「今すぐ世の中が変わらないのだったら、いつになったら変わるのかしらねえ?」とすずさんに言わせてはいけないのだ、と
自分に言い聞かせました。

凄いものを見させてもらい、関わらせてもらいました!
演出の杉本さん、作者の和田さん、出演者の皆さん、支えてくださった皆さん、観に来て下さった皆さん、ありがとうございました。

片柳すすむ

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