片柳すすむ

かたやなぎ 進
日本共産党前川崎市議会議員
市議会傍聴レポート(議会活動報告)

ファミリーシップ制度(同性パートナー含め家族を市が公認する制度)の創設を―予算審査特別委員会

2022年3月11日

3月10日、予算審査特別委員会で質問を行いました。今日はその中の【ファミリーシップ制度(同性パートナーを含めた家族全体を市が公認する制度)の創設を】のテーマについて、報告します。

(その他に質問した項目は「多摩川の洪水を防ぐための堤防かさ上げと浚渫を」「市立病院でのLGBTQの患者への対応について」「荷待ち車両への対策について」「学校教職員の多数が休んだ場合の対応について」です)

質問と答弁は以下の通りです。

*この文章はメモに基づくもので議事録ではありません。

質問① ファミリーシップ制度の導入をはかるべき

 次に、3款1項4目人権男女共同参画費に関わり、市民文化局長にファミリーシップ制度について伺います。

 本市は一昨年から「パートナーシップ宣誓制度」を開始しましたが、対象は成人している一方又は双方が性的マイノリティのカップルとされています。そのため、例えばパートナーシップを宣誓した方の一方にお子さんがいた場合、大人同士はパートナーと認められますが、もう一方の方とお子さんの関係は「同居している他人」となってしまうことになり、全国では「保育園での子どもの引き取りを拒否された」という事例も報告されています。

ファミリーシップ制度

 こうしたことから、同性カップルの子も家族として公認できるようにする「ファミリーシップ制度」が、全国の自治体で導入され始めています。

パートナーシップ宣誓制度実施の際に、本市は「当事者の抱える生きづらさの解消や生活上の障壁を取り除くことが重要」としてきました。法律婚の夫婦なら、なんら問題ないことが、同性カップルでは障壁となっている現状を変えるためにも「ファミリーシップ制度」の導入を図るべきと思いますが、市民文化局長に伺います。

答弁 市民文化局長

ファミリーシップ制度についての御質問でございますが、人権を尊重し、共に生きる社会を目指している本市といたしましては、性的マイノリティ当事者の生活上の障壁を取り除く取組が重要であると考えておりますことから、当事者やその家族の置かれている状況の理解を進め、そのニーズを的確に把握するとともに、他都市における導入事例等を参考に、調査研究に努めてまいりたいと存じます。

質問② 同性パートナーの方が保育園のお迎えに来た場合の対応は?

 「研究する」という第一歩の答弁でした。

 ファミリーシップ制度以前の現実の問題として、同性カップルの片方のお子さんの保育園のお迎えに、そのお子さんとの法律上の関係はないものの実質は同居家族であり保護者であるという同性パートナーの方が来られた場合について、どのような対応を行っているのか、こども未来局長に伺います。

答弁 こども未来局長

保育所等への送迎についての御質問でございますが、

児童に付き添う送迎者につきましては、保護者が保育所等に対して、送迎者を事前に申し出ることとしておりまして、その送迎者は法律上の保護者や同居家族に限らず、家族以外の方についても送迎が可能となっております。

質問③ 学校の授業参観や災害時の引き取りに来られた場合の対応は?

 公立学校の授業参観や個人面談、災害時の引き取りや引き取り訓練などの際に、先ほどと同様の同性パートナーの方が来られた場合の対応について、教育次長に伺います。

〇答弁 教育次長

学校への来校等についての御質問でございますが、授業参観や災害時の引き取り等につきましては、保護者や同居家族に限らず、家族以外の方についても法律上の保護者が認めた方であれば、来校や引き取りが可能となっております。

要望 法律婚と同等の対応、ファミリーシップ制度への前進を

 いずれも、事前に保護者等の申し出があれば、同性パートナーなどについても保育園のお迎えや引き取り訓練等についても対応しているとのことでした。

 実際にはまだ直面して対応した事例は少ないかもしれません。しかし、いわゆるLGBTの方は各種調査で6~8%程度おられ、すでに家族のあり方は多様になっているけれども、様々な障壁やためらいがあるために、実際には表に出ていないだけだと思います。

 数年前視察した、パートナーシップ制度を先駆けて導入した自治体の担当の方が「パートナーの証明書をパスポートのようにして公営住宅に入居できたり、行政サービスが受けられる、というのは本来の行政の在り方とは違う。実際に家族と同様の生活実態があるのであれば差別なくサービスを受けられるようにするのが行政の役割だと思う」という話をされていました。全くその通りだと思います。

 保育園や学校では、同性パートナーの家族関係も含め、現実に家族として受け止めて対応している、という答弁は本当に力強く感じました。

 こうした実際の場面で、差別なく法律婚の夫婦や家族と同等の対応を一歩ずつ広げて行くよう教育委員会とこども未来局をはじめ、市職員の福利厚生等の対応については総務企画局、また各局に要望いたします。また、多様な家族のあり方に対応するためにも、ファミリーシップ制度が大きな力になることは間違いありません。導入に向けた取り組みを市民文化局に要望致します。

片柳すすむ

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