片柳すすむ

かたやなぎ 進
日本共産党川崎市議会議員
議会活動報告

大型開発の用地は取得するのに、この3年間に福祉・教育施設用の土地購入はゼロ?!-用地取得のあり方について質問

2015年9月25日

9月25日の決算審査特別委員会・総務分科会で用地取得のあり方について質問しました。質問と答弁をご紹介いたします。

○質問・片柳すすむ:過去5年の土地取得の状況は?

2款4項1目・総合企画費の土地取得費の状況について伺います。
まず、2010年度から昨年度までの5年間の用地取得実績について、「福祉関係施設」「教育関係施設」「開発・誘致関係施設」で、それぞれどのような用地取得状況になっているか、お示しください。

●答弁・企画調整課担当課長

過去5年間の用地取得実績についてでございますが、福祉施設の整備につきましては、平成23年度に保育所施設用地として1,335㎡を2億5222万2390円で取得したものでございます。
次に、教育施設の整備につきましては、平成22、23年度に学校及び図書館用地として、7057㎡を24億1599万8590円で取得したものでございます。また、開発・誘致関係の整備につきましては、 40,792㎡を88億3994万2017円で取得したものでございます。
なお、福祉施設の整備にあたりましては、民間活力による用地の確保や施設整備のほか、低未利用な市有地の無償貸与、国有地や県有地の貸し付けなど様々な手法を活用しながら、施設整備を進めているところでございます。

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○質問・片柳すすむ:教育用地取得額は開発・誘致の4分の1、福祉用地は35分の1―偏った用地取得のあり方を改めよ

福祉関係は1,335平米で約2億5222万円、教育関係は7,057平米で約24億1600万円、開発・誘致関係は40,792平米で約88億3994万円、とのことでした。

この5年間の教育関係の用地取得は、金額ベースで見ると開発誘致関係のわずか4分の1ほど、面積ベースで見ると約6分の1です。福祉関係の用地地取得の額は開発・誘致関係の35分の1、面積で見ると31分の1しかありません。

さらに2012年度以降の直近の3年度を見ると、福祉・教育関係の用地取得は1件もありません。あまりに用地取得のあり方が偏っているのではないでしょうか。

次に、市が用地を取得して、福祉施設をつくることが必要な事例を示していきたいと思います。

市内には、市民利用施設や、特養ホーム・認可保育園などの福祉施設への利用の希望が出されている県有地がいくつかあります。川崎区小田1丁目の県警寮跡地には、県に対して市が利用計画を示さなかったために売却されることになってしまいました。

特養ホーム増設の要望は本当に切実です。特養ホームの待機者は、川崎市全体で5300人をこえています。「何回も申し込んだけれども特養ホームに入れない」「もう燃え尽きそうだ」など、町を歩けば深刻な声をたびたび伺います。先日幸区の有料老人ホームでの痛ましい事態が明らかになりましたが、この大元の要因の一つには、特養ホームが不足している実態があります。市が必要な用地も取得して、本気で特養ホームを増やす方向に舵をきらなければならないのではないでしょうか。

さて、先ほどの他党議員への答弁では、キングスカイフロントの土地取得については、「国立医薬品食品衛生研究所」の用地は3ヵ年で8億9250万円あまりで取得し、さらに2014年度から10年間かけて分割で支払いを続ける「ナノ医療イノベーションセンター」の用地取得を含めると、合計3万8000平米の土地に、69億4918万円あまりの額を費やすとのことです。

殿町地域では巨額の費用を投じて土地をどんどん購入して開発・誘致をすすめる。その一方で市民が切実に求めている特養ホームはじめ市民利用施設、福祉や教育施設をつくるための土地は購入しない。あまりにも市民生活に対して冷たい市政といわざるを得ません。こうした姿勢を改めて、福祉・教育施設の用地取得をすすめるべきだと考えますが、見解を伺います。

●答弁・企画調整課担当課長

本市の土地取得の考え方につきましては、総合的な視点から、本市のまちづくりや施策・事業を着実に推進するため、個別の整備計画に基づき、取得の有無を適切に判断しているところでございます。

このような考え方のもと、特別養護老人ホームをはじめとする福祉・教育などの施設整備につきましても、都市部における用地確保が難しい中、民間活力の導入や公有地の活用など、最も効果的な整備手法を用いることにより、整備を進めているところでございます。

今後もそれぞれの整備計画に基づき、施設の整備を推進するため、土地取得も含め、多様な手法を活用しながら、事業用地の確保に努めてまいりたいと存じます。

○質問・片柳すすむ:公有地活用にむけて「限定をやめよ」「減額制度を」と、県に要望を

都市部における用地確保が難しいとのご答弁でしたが、同じように地価が高いけれども開発・誘致関係の用地は取得しているのですから、福祉・教育の用地も取得してほしい、と思います。

また、公有地の活用ということも答弁にありました。そこで県有地活用の問題について質問いたします。

川崎区京町1丁目の県京町アパート跡地に予定されていた特養ホーム建設計画は、土地の参考価格が7億7250万円、さらに建物の解体費用に約2億円かかるとのことで、合計9億円を超える大きな費用負担を社会福祉法人に求める計画でした。8月中旬までの募集に対し、最後まで検討した社会福祉法人があったとのことでしたが、この土地購入の費用が大きな負担となることから、最終的には応募にはいたらず、この京町の県有地は一般入札で売却する方向で進める方針とのことです。

神奈川県有地の市町村への貸与の際に「3年度につき1市町村に1箇所しか貸さない」「貸付額は評価額から減額はしない」などの限定があります。売却の際にも減額の制度がなく評価額で購入することが求められています。こうした限定があることによって、京町1丁目のように市民・地域住民の皆さんから特養ホームが望まれているにもかかわらず、土地の評価額が高すぎるために社会福祉法人が購入できない、従ってせっかく公有地があっても市民のための施設はつくられず民間に売却される、ということが続いています。

県に対して、県有地の売却や貸与に関するこうした限定をやめて、売却や貸与の際の減額を行なうこと、貸与の際の「3年度に1ヶ所だけ」といった限定をやめることなどを県に要望するべきです。伺います。

これまでも本市から県に、県有地の貸与や減額について要請してきたとのことですが、要請への対応や検討の状況についても伺います。

●答弁・広域企画課長

神奈川県では、県有地の処分については、財源確保の観点から有償譲渡を原則としており、県有地の貸付は、従来、士地の形状や法規制などの理由により売却が困難な場合や、将来的な利活用に支障のない短期的な利用の場合に限り認めておりました。

このような中、本市では、県の予算編成に対する要望等において、社会福祉施設等の整備に関する県有財産の貸付制度の創設について積極的に要望活動を行い、その結果、平成24年2月に県から「県有地の定期借地権を利用した貸付制度に関する基本方針」が示されました。

その方針では、県が利用しない跡地の利活用は、収入確保の観点から、今後も引き続き、一義的には有償譲渡による処分を原則とし、保育所用地や特別養護老人ホームなどの介護保険施設用地としての利用に限定して、原則として一市町村1件であること、貸付料の減免は行わないこと等を条件に、県有地の定期借地を認めることとされております。

当該貸付制度により、川崎区境町において、特別養護老人ホーム及び保育所が整備される運びとなりましたが、さらなる貸付の要望活動を行った結果、幸区塚越の県有地についても保育所用地としての貸付が認められ、現在、両施設とも来年度からの運営開始に向け、施設整備が進められております。

また、県有地を売却処分する場合には、一般競争入札によるこどが基本とされておりますが、県との協議・調整により、川崎区京町の県有地については、本市が選定した社会福祉法人に対して、随意契約による売却も可能であるとの意向が示されたところでございます。

本市では、県有地貸付制度の継続及び貸付件数の緩和、貸付料の減免について、県に対して継続的に要望を行っておりますが、さらに、民間等において、県有地を特別養護老人ホーム等の公共的施設として活用する場合には、優先的な譲渡及び譲渡額の減額を認めていただけるよう要望してまいりたいと存じます。

○意見要望・片柳すすむ:県への要望を続けるとともに、大型開発に偏重した市の用地取得のありかたを改めよ

県有地を活用しやすくするための要請に尽力されていること、また今回の京町のような随意契約による売却も可能ということまで踏み込んだ関係者の皆さんの努力に敬意を表します。しかし、先ほど述べたように結果としては高い土地購入費用がネックとなり、特養ホームの建設にいたらなかったわけです。

6月議会の一般質問でも紹介しましたが、東京都は、市区町村が保育所や特養ホーム等の福祉インフラを整備することを目的として、昨年8月から都有地などをさらに活用しやすくする事業を始めています。地価の最も高い千代田区の場合を例に取ると、1平米当たり296万円の土地が、85%の減額で1平米当たり43万円まで安くして提供されるとのことです。

また東京都は今後、老朽化した都営住宅・公共住宅の建替えに伴って創出される用地から、10年間で30ヘクタールを超える候補地を市区町村に提供するとのことです。このように、東京都が行なっているような、福祉インフラの整備のために思い切って公有地を減額する制度や、公有地を提供する事業を創設するよう、市から県に強く要望することを求めます。

また、先ほども申し上げましたが、大型開発・拠点開発や誘致関係の土地はたいへんな額をかけて購入しながら、市民が切実に求めている福祉や教育施設をつくるための土地は購入しない、こうした姿勢には市民の理解が得られません。用地取得のあり方を改めて、福祉・教育施設の用地取得をすすめるよう強く要望いたしまして、質問を終わります。

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