片柳すすむ

かたやなぎ 進
日本共産党川崎市議会議員
議会活動報告

市学力テストー学校ごとの結果公表はやめよ(一般質問)

2021年12月17日

12月17日に一般質問を行いました。きょうはその中から「川崎市学習状況調査」を市長が毎年実施しようとしており、さらに学校ごとの結果公表まで行うことを検討している問題について、取り上げたいと思います。

(このブログは質問・答弁ともにメモを書き起こしたものです。正式な議事録ではありません)

質問① 14年前の「競争をあおらないよう公表は控える」との考えは変わらないか

代表質問で川崎市学習状況調査の学校別の結果公表について質問しましたが、個人の学習へのフィードバックを適切に行うことなどが大事だという主旨の答弁で、直接の答弁はありませんでした。改めて学校別の結果公表についての考え方を、教育長に伺っていきたいと思います。

2007年の本会議で、当時の教育長はわが党の質問に対し「(全国学力調査の)結果を今後の教育施策に生かすことが重要なので…順位づけや過度の競争意識をあおることのないよう、学校単位の結果をみずから公表することは控えるべきものと考えている」と答えています。現在行われている全国学力テストや川崎市の学習状況調査について、川崎市は学校ごとの平均点の公表は行っているのか、順位付けや競争意識をあおらないように公表を控えるという14年前の答弁と姿勢は変わらないのか、伺います。

学習状況調査1

答弁① 教育長

全国学力・学習状況調査等についての御質問でございますが、

全国学力・学習状況調査及び川崎市学習状況調査につきましては、当初より、児童生徒の学習状況を適切に把握し、その改善や向上を図ることを目的として実施しております。

そのため、本市はこれまでも全国学力・学習状況調査の結果につきましては、序列化や過度の競争意識をあおることのないよう、各学校が自校の目標や課題に即した分析をして学校報告書を作成し、指導の改善や教育課程の編成等に活用しております。

また、川崎市学習状況調査につきましても、調査の目的を鑑み、教育委員会が市全体の結果を分析し公表するとともに、児童生徒自らの学習状況の振り返りや、各学校の授業改善への支援、教育施策の立案等に生かしております。

今後も、各種の調査につきましては、その目的に鑑み適切に実施してまいります。

質問② 日弁連会長声明、地域への影響をどう受け止めているか

日本弁護士連合会は2014年8月に、全国学力テストにかかわる会長声明を発表しています。

その中では、学校別の結果公表について、過去問やドリルなど「テスト対策」に偏重して子どもに過度な負担を与えることや、問題の漏洩や正解の誘導など不正行為が発生したことを指摘し、国による学校別結果の公表容認は教育基本法の禁ずる「教育への不当な支配」にあたる適法性を欠くものと言わざるを得ない、と述べました。また2010年に国連子どもの権利委員会が「高度の競争的な日本の学校環境がこどものいじめや不登校などを助長している可能性がある」として教育制度の見直しを勧告したことを指摘しました。そして、結論として、学校別の結果の公表は、過度な教育競争を煽り、子どもの学習権・成長発達権を危うくする恐れが高いことから、行わないことを求めました。

学習状況調査2

学校別の評価は地域の評価につながり地域の分断をまねきます。学力には家庭の環境や経済状況などが強く反映します。もし学校ごとに平均点を公表すれば、平均点が低かった学校への評価はストレートにその地域の評価につながります。「A地域は学力が高く子育てにふさわしい」などという評価と同時に、その裏で「○○だからB地域は学力が低い」「B地域には住むべきではない」などの評価が振りまかれることになり、川崎市内の各地域をそういった評価で分断することに直結してしまいます。

全国学力調査の結果を学校別に公表することについての日弁連の会長声明をどう受け止めるのか、地域社会に与える影響をどう考えるのか、伺います。

答弁② 教育長

全国学力・学習状況調査等についての御質問でございますが、

全国学力・学習状況調査等につきましては、その目的を学校・保護者・地域が正しく共有し、結果を適切に取り扱うことが重要であると考えており、本市におきましては、当初より、結果の取り扱いにつきましては、そのまとめ方や提示について各学校の状況に応じた適切な方法で行うことを、全校に周知してきたところでございます。

各学校の保護者や地域におきましても、本市の取組について正しく理解していただいているものと認識しており、今後とも、調査本来の目的に沿った運用に努めてまいります。

意見・要望 「みんなのために明日休むわ」と言った子に拍手-大阪府のようにするな

学力テストの結果公表が最悪の形で行われているのが大阪府です。中学校の全学年対象の「チャレンジテスト」という行政調査を行い、その結果が学校ごとの評定(ひょうてい)に反映させられます。チャレンジテストの中学校ごとの平均点によって各学校が生徒につける評定平均の範囲が定められる「団体戦方式」と言われる仕組みです。

学習状況調査3

例えば、結果の良かったA中学校が平均評定「4.3」となれば、通知表の「4」や「5」という高い評価を100人中87人の生徒につけられることになります。逆に、結果の悪かったB中学校が平均評定「2.7」とされたら、「4」・「5」の評価を付けられる生徒はわずか15人、などとされてしまいます。

学習状況調査4

(この質問と図表は大阪教育文化センターのウェブサイトを参考に作成しました  https://osaka-kyoubun.org/archives/3740

教育長と教育委員会事務局、そして市長に要望します。こうした制度が導入された結果、大阪の教育現場はどうなっているか。テスト前の教室では「あいつは平均点を落とすから来てほしくない」「頑張っても0点取る奴がおる」など、クラスメイトを蔑視する発言が教室で起きたり、学力に自信のない生徒が「クラスのために明日の試験休むわ」と言ったら、教室から賞賛の拍手が起こり、実際その子はテスト当日を欠席するなど、子どもたちの人間関係がズタズタに切り裂かれている、と現場の教員から報告されています。これが教育と言えるでしょうか。

 そうなれば、中学校は「高校受験に有利な中学」「不利な中学」とランク付けされることになり、「4」や「5」の成績の付きやすい学校の地域への転居が起こってもおかしくありません。これは最悪の形ですが、平均点公表を行えばこどもを傷つけ、地域の分断やコミュニティの崩壊につながることは同じです。学校ごとの平均点公表は行わないよう強く求めて、質問を終わります。

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