片柳すすむ

かたやなぎ 進
日本共産党前川崎市議会議員
市議会傍聴レポート(議会活動報告)

「機能強化」の3つの理由はすべて破綻した-羽田新ルートは中止を

2021年12月14日

12月8日、日本共産党の代表質問で羽田新飛行ルートについて質問しました。指摘したのは2つのポイントでした。

問題点① 最大の被害が想定されている「コンビナートでの高圧ガスタンクの連続爆発」の訓練を行い市民に避難のあり方を示せ

問題点② 羽田新ルートの必要性として国交省が主張してきた「国際競争力強化」「地域活性化と訪日観光客の受け入れ」「東京五輪の円滑な開催」の全てが破綻したのだから、新ルートは凍結せよ

jpg羽田空港 代表質問1

国交省は新ルートの運用で約45万回の離着陸回数を49万回程度まで増やすことを目指していました。

jpg羽田空港 代表質問2

しかし実際は世界的なコロナの感染拡大もあり、2020年度は約23万回(実績)、21年度の4~8月の実績が一年間続いたとしても26万回程度(見込み)です。

jpg羽田空港 代表質問3

それでも市長は、コロナ感染拡大前と同じ「羽田空港の機能強化の必要性を認識している(だから新ルート凍結は求めない)」との答弁を繰り返しました。

新ルートが運用される南風の日は、毎日、多摩川でのバードストライク(取との衝突)コンビナートでの落下物や墜落の危険が起きているのです。これをまともに受け止めたら、「機能強化が必要」という立場でも、少なくともコロナの影響が落ち着くまでの間は従来のルートに戻すことくらい求めるべきではないかと思うのですが…。


以下、実際の代表質問をメモをもとにまとめたものです(正式には市議会から後日発表される議事録をご覧ください)。

日本共産党代表質問 羽田新飛行ルート(大庭市議)

コンビナート重大事故を想定した訓練こそ

11月9日、東京航空事務所と川崎市が「着陸機がB滑走路をオーバーランして炎上、大量の黒煙が殿町方面に流れている」と想定した図上訓練を行いました。しかし市が臨海部防災対策計画で想定している最大規模の災害は、コンビナートでの高圧ガスタンクの連続爆発です。さらに議会でも「航空機からの部品落下でパイプラインが損傷した場合でもガスタンクの爆発は起こりうる」と答弁されています。新ルートが運用される南風の日は、毎日その危険があるのです。コンビナート事故を想定した訓練を速やかに行うべきです。伺います。

理由の破綻した羽田新ルートは凍結を

昨年3月まで、国交省はウェブサイトで、羽田空港の機能強化・国際線増便が必要不可欠な理由として「首都圏の国際競争力の強化」「地域活性化と訪日観光客の受入れ」「東京オリンピックの円滑な開催」の3点を挙げていました。しかし、オリンピックは終わり、訪日客などは今後も回復が見込めません。従来、国交省は「羽田空港の年間44万7千回の処理能力を3万9千回分増やす」と言ってきましたが、2020年度の実績は22万6千回にすぎず、今年の4月から8月までの実績も2019年の6割未満で、「国際競争力の強化のために必要」との理由も成り立たなくなりました。

いまだに被害想定もせず訓練も行っていない危険な羽田新飛行ルートは直ちに凍結するべきです。新ルートの運用を停止し従来のルートに戻すよう国に求めるべきです。伺います。

答弁 まちづくり局長

羽田空港の新飛行経路についての御質問でございますが、新飛行経路につきましては、これまで国に対し、コンビナート上空飛行に関する安全対策や防災力の確保・向上などの対応を求め、国からは、新飛行経路の必要な対策について、国が責任を持って対応することを確認しております。

これまでの国の対応につきましては、コロナ禍における羽田空港の減便時において、大型機の一部を、川崎側への離陸を避ける運航とする騒音軽減策や、コンビナート上空飛行における安全対策に取り組むとともに、運用状況について、大師地区の協議会等への継続的な説明や情報提供などを行ってきたところでございます。

今後につきましても、引き続き、要望事項の着実な取組を求め、国の対応状況を確認してまいります。

日本共産党代表質問・再質問 (大庭市議)

羽田新飛行ルートについてです。

質問では、新ルートが必要だとしていた理由のうち東京五輪は終わり、訪日客も来られなくなっていること、国際競争力強化についても、羽田空港の利用回数は2年前の約45万回から昨年は23万回程度に減っており、新ルート利用の理由として成り立っていないことを指摘しました。

それに対し答弁では、9月議会で答えた「羽田空港の機能強化の必要性を認めている」との理由は述べることはできませんでした。コロナ禍が続き増便も見込めない中、新ルートを強行しても国際競争力強化になどなるはずがなく、その間も重大な事故の危険が続くのですから、完全に理由の破綻した新ルートは当面凍結するよう、国に求めるべきです。市長に伺います。

答弁 市長

羽田空港の新飛行経路についての御質問でございますが、

本市といたしましては、羽田空港の機能強化の必要性を認識しており、新飛行経路に関する安全対策等について、国にその対応を求め、責任を持って対応する旨の回答を得ておりますので、引き続き、その対応状況を確認してまいります。

片柳すすむ

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