片柳すすむ

かたやなぎ 進
日本共産党川崎市議会議員
議会活動報告

学芸員の処遇改善はじめ、市民ミュージアムの学芸機能強化を

2021年9月23日

9月22日の決算審査特別委員会・文教分科会で、パートナーシップ宣誓制度について質問しました。

質問と答弁を紹介します(正式な議事録ではありません。後ほど議会から発表される議事録をご確認ください)

①ミュージアムの学芸員の常勤・非常勤の賃金総額は?

次に、3款1項5目市民文化振興費のうち、市民ミュージアム事業費、とくに学芸員の処遇について伺っていきます。

2017年度から期間を5年とする指定管理とされましたが、直営時代の2016年度を含めた昨年度までの学芸スタッフの賃金総額を常勤職員と非常勤パートスタッフのそれぞれで伺います。また常勤と非常勤スタッフの人数をそれぞれ伺います。パートスタッフの時給額も伺います。

答弁①

市民ミュージアムの学芸員についての御質問でございますが、平成28年度の学芸員の人数及び給与総額につきましては、常勤職員6名、非常勤職員10名で、7699万2千円でございます。

指定管理者制度導入後の平成29年度につきましては、常勤職員15名で4862万円、非常勤職員2名で、100万円、

平成30年度は、常勤14名で4672万2千円、非常勤9名で、 294万3千円、

令和元年度は、常勤17名で、 5935万1千円、非常勤12名で277万7千円、

令和2年度は、常勤15名で、 6100万8千円、非常勤14名で724万9千円でございます。

なお、令和2年度における非常勤職員の時給単価は、1160円から1300円で、平均1177円となっております。

②正社員になった学芸員はいるのか?継続して働けるのか?

賃金

指定管理後の2017年は常勤平均で324万円、以後334万円、349万円で、被災後には様々な役職手当等の対応を行って引き上げた結果400万円を超えたということです。

2017年にアクティオ・東急の指定管理に移行した際の「求人募集要項」には、「雇用形態は契約社員」で「正社員登用制度あり」とされていましたが、4年経って正社員になった学芸員はいるのか、伺います。契約社員の学芸員はどのような契約となっているのか、継続してミュージアムで働く保障があるのか伺います。

答弁②

学芸員の雇用形態に関する御質問でございますが、指定管理者が雇用する学芸員につきましては、有期の契約社員となっておりまして、通算5年を超えると、当該社員が雇用主に申請し、双方が合意した上で正社員となることができますが、 4年を経過した現時点では、正社員となった学芸員はいないと伺っております。

契約内容につきましては、雇用期間を明示し、期間満了をもって終了するとありますが、契約を更新することができるものとなっております。

③ミュージアム全体の分野を統括する学芸員を育てられるよう、学芸機能強化を

いわゆる「無期転換ルール」で、5年間働いた場合だけ正社員になれるということで、現状は全ての学芸員が契約期間1年間限りの契約社員だとのことです。

公表された「新たな博物館、美術館に関する基本的な考え方(案)」の前提となる「あり方検討部会」では、学識経験者の方々から「学芸員の体制と機能強化をすべき」との意見が口々に出されました。また事務局である市の側からも「博物館と美術館の機能を融合させたミュージアム全体の広範な分野を統括できるリーダーの確保が課題」と意見が出され、議論されました。

ミュージアムの被災に向き合い再建する時期だからこそ、将来を見据えて広範な博物・美術分野の全体を統括できる学芸員を育てられるよう、学芸機能の強化を「考え方」の中心に据えるべきですが、伺います。

答弁③

学芸機能についての御質問でございますが、現在、国において、博物館法改正に向けた、博物館に求められる役割や、博物館登録制度、学芸員制度などの今後のあり方が、議論・検討されているところでございます。

本市といたしましても、博物館、美術館が多様化・高度化する役割を果たすうえで、その役割に応じた専門人材の確保は重要であると考えておりますので、新たな博物館、美術館に関する基本構想及び基本計画を策定していく中で、国の動向等を踏まえ、学芸機能についても検討してまいります。

④直営方式はじめ学芸分野の直営化、長期の指定管理など専門性担保できる運営を

全国の地方公務員の平均年収は591万円、民間給与実態統計調査の2020年度版によれば、民間事業所で働く人の平均年間給与は約436万円とのことです。現在の市民ミュージアムの学芸員さんは、年収300万円~400万円程度で、一年限りの有期雇用です。将来に展望を持って働き続けられ、将来ミュージアムの全体を統括し得るリーダーとなる方が育つ処遇とは思えません。優秀な学芸員を確保し養成するために、期間の定めのない雇用として、さらに処遇改善を行うとともに、中長期を見据えて運営するために直営化を検討すべきですが伺います。

横浜市は、「高度な専門的知識の蓄積」「施設のポテンシャルを最大限に発揮する」等の理由をあげて、横浜美術館について指定管理期間を10年とする単独指名による指定管理を行っています。また博物館・美術館を全体的には指定管理としながらも、その中で学芸部門のみは直営としている例もあります。これらも参考に、日本で随一の所蔵品を持ち、全国的にも独特な存在感を持つ市民ミュージアムの専門性を担保できるような運営方式とすべきですが、伺います。

答弁④

運営方式についての御質問でございますが、新たな博物館、美術館の管理運営については、今後の基本計画策定の中で、直営や民間活用などの比較検討を行っていく予定でございます。

博物館、美術館の運営にあたっては、専門知識や経験を備えた学芸員の存在は大きいものと認識しておりますので、市民が楽しむことができる展示や、適切な収蔵品管理、中長期的に継続した調査研究等が可能な最も効率的・効果的な運営体制などについて、他都市の事例等も調査しながら、今後、検討を進めてまいります。

意見要望 市の責任で学芸員を位置づけたミュージアムの再建を

33年前、市民ミュージアムが開館した当初から、私たち日本共産党は川崎市在住や川崎ゆかりの作家を養成し、作品をコレクションすること、地域の文化芸術団体の意見を聞き協同することなどを求めてきました。そして、市内在住の著名な芸術家からの寄贈や寄託、川崎考古学研究所からは出土品など2万点に及ぶ資料の寄贈、また毎年数十人のボランティアの方々がミュージアムの魅力を伝えるなど、まさに市民とともに歩んできた歴史があります。また、その収蔵品22万点が、2019年東日本台風の際に、市の対応が不十分だったために被災したのですから、公の責任で再建すること、その中で中核となる学芸員の皆さんをしっかり位置付けるのは市の当然の責務だと考えます。

それらを踏まえミュージアムを再建することを要望して、質問を終わります。

以上

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