片柳すすむ

かたやなぎ 進
日本共産党前川崎市議会議員
市議会傍聴レポート(議会活動報告)

中国政府の国際法無視の対応をもとめる意見書ー共産党案と自民党案の両方が審議

2021年6月17日

きょうの本会議で共産党市議団は代表討論のほか、意見書提案(共産党案)、意見書への反対討論(自民党案…みらい・公明が共同提案<以後「自民案」と表記>)を行いました。

共産「中国政府への抗議&外交的対応」か、自民「軍事同盟強化」か

普段と違ったのは、共産党が提案した意見書案に対し、自民党が似て非なる対案を持ち出してきたため、それに対する反対討論を行ったところです。

元々は共産党「中国がつくった国際法を無視する海警法に対して、日本政府が抗議し外交的な対応をすべき」と求める意見書を提案していたところ、その後、自民党が中盤までほぼ同じ内容ではあるものの「中国政府への抗議&外交的な対応」を削除したうえ「積極的平和主義に基づく対応&日米同盟の強化」を押し出した意見書案を出してきた、ということです。

また、似たような意見書案が二つ出されたので、市民にとっては「なぜ共産党が一つは賛成して、もう一つは反対するのか?」と疑問を持つことになるので、私たちは正面から反対討論を行うことにしました。

共産党の行った反対討論(自民党意見書案にたいする)

宗田裕之団長の行った反対討論は以下の通りです。


私は、ただいま議題となりました意見書案第7号「日本の領土及び東シナ海の平和を守るための更なる対応を求める意見書」について、日本共産党を代表して討論を行います。

この意見書案の第一の問題点は、中国政府の海警法の制定など国際法の規範を無視した横暴な行動を批判し撤回をするよう国に求めるものになっておらず、また外交的な対応も求めていないことです。中国政府に国際法違反を改めさせること、また周辺諸国や国際社会とともに中国政府が国際法違反を行っているという事実を共有し、国際的に中国を包囲して、その覇権主義的行動を改めさせることこそ、この問題の解決の道だと考えます。

第二の問題点として、この意見書案が「積極的平和主義」「日米同盟強化」などを国に要望するものになっており、この立場では軍事的対応の悪循環に陥ることになりかねないことです。

まず「積極的平和主義」についてですが、2015年9月に多数の国民の反対の声、圧倒的多数の憲法学者の反対の声を無視して強行された安保法制も、「積極的平和主義」の名で提案されたもので、日本が他国から攻撃を受けていない場合であっても他国に武力行使ができるという日本国憲法を踏みにじるものでした。「積極的平和主義」による対応は最も危険な軍事的悪循環を招くことになりかねません。

また、この意見書案は日米同盟の強化を求めていますが、そもそも米国は国連海洋法条約に署名していません。4月16日の日米首脳共同声明でも「中国の不法な海洋権益に関する主張及び活動」と述べるだけで、中国の行為や海警法が国際法違反であるという指摘は行いませんでした。日米同盟強化など軍事的な対応を強めることになれば、アジア地域の軍事的な危険を高めることになりかねません。

中国政府に対し日本政府が直接、国際法違反だと指摘し改めるよう求めること、周辺諸国はじめ国際社会に外交的に働きかけて解決をはかることなど、対話による平和的な解決の道を取ることこそ求められています。また、こうした平和的解決の立場で取り組むことこそ、日本国憲法の平和主義の精神に則った、我が国が国際社会に果たすべき役割であると確信するものです。

これらのことから、日本共産党は本意見書案に反対することを表明いたしまして、討論を終わります。

(下線・強調は片柳)


両方の意見書案の画像も掲載しておきますので、そちらもご確認ください。

共産案 中国海警法意見書案

↑以上が<共産党提案>

自民 意見書案

↑以上が<自民党提案>の意見書です。

各会派・議員の態度

この二つの意見書案に対する各議員の態度はどうだったのか、図に示します。

中国への意見書の結果

申し訳ありませんが、無所属議員の皆さんは敬称略です。

実は意見書案に対案が出されたケースはちょうど10年ぶりです。

2011年6月議会に原発ゼロのエネルギーへの転換を求めた意見書案を共産党が出して、それに対し自民党が原発維持の対案を出してきたとき以来です。そのときは当時の竹間幸一団長が反対の質疑を行い、自民党の市議団長が答弁するというやりとりがありました。

私は新米の市議団事務局員として議会に来たばかりだったので、大変印象深く覚えています。

ともかく、また頑張ります。

片柳すすむ

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