片柳すすむ

かたやなぎ 進
日本共産党前川崎市議会議員
市議会傍聴レポート(議会活動報告)

予算審査特別委員会 図書館と司書を増やすべき

2021年3月12日

予算審査特別委員会での質問報告、きょうは図書館のあり方についてです。
他に質問したのは、①ヘイトスピーチ、②少人数学級、③定数内欠員と臨時任用教員、④高校奨学金について、です。

*正式な議事録は後日議会から発表されるものをご覧ください。

文科省が示す「目標基準例」と川崎市の図書館の現状は

図書館についてです。
身近な場所に図書館の設置を求める市民の要望は極めて強く、多摩区生田地域や宮前区で市民の運動が起こり、労働会館と教育文化会館のあり方や大師支所と田島支所の議論の中でも「身近な場所に図書館がほしい」という声が相次いでいます。
こうした市民の声の背景には、本市の図書館の環境が遅れている現実があります。本市と隣接する自治体の図書館数は、大田区が16館、世田谷区も16館、稲城市は6館、町田市は8館です。比較的少ない世田谷区でも人口5万7千人に1館で、11万8千人に1館の本市は世田谷区の2分の1にも満たない状況です。

図書館-1

文科省は2012年、「図書館の設置及び運営上の望ましい基準」を告示。それに付随する通知で「(日本図書館協会作成の)『目標基準例』も参考に…できる限り数値目標を示すこと」としています。この目標基準例が示している「図書館数」「司書数」「市民一人あたりの資料費」と、本市のそれぞれの状況はどうなっているのか、伺います。

答弁 教育次長

図書館の設置・運営についての御質問でございますが、
平成24年12月19日の文部科学省告示第172号通知「図書館の設置及び運営上の望ましい基準」には、目標基準例の記載はございませんが、平成24年8月に、この通知にある基準を見直すため設置された「これからの図書館の在り方検討協力者会議」がまとめた報告書の中には、政令指定都市の目標基準例として「図書館数」17.5館、「専任職員数のうちの司書」 68.5人、「人口当資料費」 268.6円と記載されております。
本市の状況といたしましては、「図書館数」は12館、「専任職員数のうちの司書・司書補は36人となっており、また、人口・一人当りの資料費は74円となるところでございます。

遅れた川崎市の実態―数値目標を掲げて改善すべき

「文科省通知に目標基準例の記載はない」という答弁ですが、先ほど述べた通り、文科省は付随する通知文書で「日本図書館協会作成の『目標基準例』を参考に数値目標を示す」ように求めているわけです。その基準から見ると、図書館数17.5館に対し本市は12館、専任職員数のうちの司書68.5人に対し36人、人口当たりの資料費268.6円に対し74円と、大きく遅れていることは事実です。

図書館-2

教育委員会がおよそ10年後の未来に向けて示した「今後の市民館・図書館のあり方(案)」では、「市民が集い利用しやすい図書館」「地域づくりを支える図書館」などの方向性が掲げられる一方で、「現在の施設を基本とする」などとして増設計画は示されませんでした。
文科省はできる限り数値目標を示すように、と求めています。『目標基準例』に基づき、次期の総合計画の図書館にかかわる成果指標として数値目標を掲げるべきですが、伺います。

答弁 教育次長

図書館運営事業に関する成果指標についての御質問でございますが、
第2期実施計画においては、図書館運営事業を含む施策「自ら学び、活動するための支援」の成果指標として、「市立図書館・分館における図書館の入館者数」を設定しているところでございます。
成果指標につきましては、目標とその成果をしっかり可視化することで課題や改善点を明確化し、施策・事事業等に適切に反映することで、総合計画の効率的・効果的な推進につなげるため設定しているものでございますので、今後、関係局との連携を図りながら、施策の達成状況を適切に把握できる指標等について検討してまいりたいと存じます。

司書が「ゼロ」の図書館分館もー司書枠での採用をすべき

事前の調査で、司書と司書補の資格を持つ職員は市長部局で15人、教育委員会事務局で40人とのことでした。合計しても目標基準例が示す市立図書館への配置数68.5人の8割程度にしかなりません。先日の文教委員会では、市立図書館の「プラザ館」4館の16人の職員のうち司書資格を持つ職員は1人だけで、3館には司書がゼロだと示されました。

図書館-3

加えて本市には、市立図書館以外にも看護短大図書館や消費者行政センター、動物愛護センターなど図書の機能を持つ施設や、公文書館など司書の資格を生かすことのできる施設が数多くあり、司書を着実に増やして配置していくことが求められています。
現在の職員の中から司書の研修を奨励して有資格者を増やすというやり方では限界があります。横浜市では司書区分での採用試験を行いほぼ10倍以上の倍率となり、その結果例年10人前後を採用しています。本市でも司書区分での職員採用を行うべきと思いますが、考え方を伺います。

答弁 教育次長

図書館司書についての御質問でございますが、
本市におきましては、司書資格を有することを区分とした職員採用は行っておりませんが、これまでも図書館の職員に対しましては、必要な知識等を得られるよう、図書館業務に関する基礎的・基本的な研修を実施するほか、司書資格取得の講習等に職員を派遣しているところでございます。
図書館職員は、図書館の目的を果たすための専門的職員としての役割を担っていることから、今後も司書講習への派遣等を行うとともに、更なる資質の向上のため、より幅広い分野の知識の習得や、地域課題解決のためのスキル等を身に付けるための計画的・体系的な研修事業の再構築を進めるなど、図書館サービスの推進に向けた人材育成を推進してまいります。

要望

図書館数も少なく司書も少ないのですから、しっかり計画に位置付けて推進して頂くようお願いします。

片柳すすむ

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