片柳すすむ

かたやなぎ 進
日本共産党前川崎市議会議員
活動レポート

川崎市の教科書採択ー教育現場の声に寄り添うためには…

2015年8月17日

8月16日、教科書採択の教育委員会を傍聴しました。ツイッターやフェイスブックなどにさみだれ式に書いたものから、自分なりにポイントをまとめてみます。

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(市古市議・宗田市議などと感想を交流する中で、当初の自分の見方から発展しています。ありがとうございました。)

(1)中学校は歴史も公民も「教育出版」

 中学校は市立川崎高校付属も含めて全市立中学校で、歴史・公民ともに『教育出版』となりました。

▼育鵬社・自由社を強く勧める委員はなし

 歴史では、ある委員が「東京書籍か教育出版、育鵬社のどれか。ベストは教育出版」と発言しただけで、あとは『教育出版』で全会一致。

 公民でも二人の委員が「育鵬社も選択肢だが教育出版がベスト」との主旨の発言をしただけで、あまり論争にならず『教育出版』で全会一致。

(2)市立高校でも「育鵬社」「自由社」はゼロ

10の市立高校(含む5定時制)からの「採択選定候補」には1つも「育鵬社」「自由社」は入っていませんでした。ほとんど議論にならず、現場の意向を尊重する判断がされました。

▼実教出版日本史304Bは「国旗国歌法にもとづき指導する」との留意事項つきで採択

 定時制高校日本史Bでは、『実教出版304』の「国旗国歌を強制する動きがある」という主旨の記述に対し「現場ではどう対応しているのか?」と質問がありました。最終的に「教育現場が混乱しないよう、国旗国歌法にそった指導をするよう留意する」との留意事項つきでの採択となりました。

(3)一括採択への動きはなし

 前回の会議ではある委員から「採択区を1つにまとめてはどうか」との提案がありましたが、今回はそうした発言はありませんでした。

 しかし、今回の会議では「4採択区ともこの教科書で良いのではないか」との意見が続きました。それぞれの採択区ごとに特色があり、先生方からもさまざまな意見が出されています。教育委員のみなさんからは「どの教科書もあまり違いがありません」「私には良くわからないのですが」などの意見が出されることがありました。そういうときこそ、現場の先生方の意見(分厚い資料が出されていたのですが…)を参考にすべきなのではないでしょうか。

(4)市民の世論と運動の力

11日の臨時教育委員会への傍聴にも70人もの市民が参加し、今日の委員会で傍聴席を180席確保させる力になりました。

 今朝は9時から180の傍聴席を大きくこえる250人が詰めかけ、ロビーで傍聴する方も数十人に。最後まで傍聴した人も全体の約半分ほどいらっしゃったでしょうか。また意見書は全部で1604通にのぼったそうです。

 歴史や人権・民主主義のあり方をゆがめて描く教科書を採択させなかったのは、市民の力だと思いました。

 今回初めて教科書採択の様子を傍聴しました。6人の教育委員さんたちは膨大な量の教科書も読み込まれ、非常に努力され勉強熱心であると感じました。しかし、こうした市民のみなさんとともにやはり教科書を選ぶ主体になるのは、実際に教科書を使う子どもたちの一番近くにいる現場の先生方であり、保護者たちであるべきではないかと思いました。また、もっと身近な単位(区ごと・学校ごと)で、自分たちや子どもの使う教科書を市民がかかわって選んでいくべきなのではないか、と思いました。

 6人という少数の教育委員の思いや一存で、全市の子どもの使う教科書が決まってしまう、という仕組みが本当にいいのか、引き続きみなさんと論議しながら考えていきたいと思います。

片柳すすむ

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