今開かれている市議会に、「学校給食費の公会計化」を行うという議案が提案され、13日の文教委員会で審議されました。
(このブログの末尾に議案の画像をつけました)
「学校給食費の公会計化」とは、いま学校ごとに行われている給食費の徴収を、まとめて教育委員会が行うようにするということです。学校の教職員のみなさんの仕事があまりに過大でその負担軽減をすすめる立場から、私たちも「公会計化をすべき」と求めてきたので、全体としては喜ばしいことです。
しかし、給食費が「未納」となった場合に、これまでは学校現場が直接それをつかみ教育的な立場から対応することができましたが、今後は教育委員会から情報を得なければ対応できなくなります。
生活保護基準の引き下げに連動し「就学援助制度」の範囲も狭まる→でも「減免」の対象にはならない
特に心配されるのは、経済的に厳しい世帯が給食費や学用品費などについて行政の支援を受けることができる「就学援助制度」がありますが、その基準となる生活保護基準が(今年10月に続き来年10月もまた)引き下げられることです。
□片柳「給食費の滞納があった場合の対応は?」
■教育委員会事務局「就学援助制度や生活保護制度を周知する」
□片柳「従来は就学援助の対象だった家庭が、生活保護基準の引き下げにより、来年からは『制度の対象外』となる。議案には『減額・免除』の項目もあるが、こうした家庭に柔軟に活用すべきだ」
■教育委員会事務局「減免制度は自然災害の場合などを想定している。それ以外の場合は減免以外の制度を周知する」
□片柳「これでは何も支援がない、のと同じだ。去年まで『厳しくて給食費が払えない』と言うことで就学援助を受けていた世帯が、まったく収入も変わらず経済的に厳しいままだとしても今度は「経済的に無理ではないのだから給食費を払いなさい」とされることになる。柔軟な対応を求める」
と議論しました。
「余裕があるのに払わない人」と見なされる人が拡大する
前後して他会派の議員から「払えない人は仕方ないが、余裕があるのに給食費を払わない人もいる。厳格に対応すべきだ」との発言があり、「厳格に対応する」との答弁もありました。
このままでは、これまで就学援助制度を利用してきたけれども今後は対象外とされる人は、まさに「余裕があるのに給食費を払わない人」とみなされてしまいかねません。
「給食だけがまともな栄養で、夏休み明けになると子どもが痩せて学校に戻ってくる」という事態も起きています。そのことも指摘して「経済的に困難な状況にある児童生徒やその家庭を追い詰めないよう柔軟な対応を」と重ねて求めました。
このときの委員会では言い忘れましたが、教育委員会事務局も子どもの貧困にかかわって「既存制度の拡充をする必要がある」と言っていました。もちろんその「既存制度」には就学援助制度も含まれている、というかその中心です。
どうしてこうなるのか。
次の議会でも就学援助制度の拡充や、給食費への柔軟な対応などを求めていきたいと思います。
ちょうど大阪市が2021年4月から予定していた給食費の無償化を前倒して、今年4月から行うとの報道がありました。
川崎市も子どもと保護者の実態に目を向けて対応してほしいと思います。