片柳すすむ

かたやなぎ 進
日本共産党前川崎市議会議員
市議会傍聴レポート(議会活動報告)

学校のブロック塀・トイレ・格技室(柔剣道場)の整備推進を

2019年9月26日

9月26日に開かれた決算審査特別委員会の文教分科会で、教育委員会にかかわる決算審査を行いました。そのうち、学校施設の整備推進にかかわる部分について報告します。

質問① 法律に適合しないブロック塀の現状は

13款8項1目・義務教育施設整備事業に関連して、まず学校ブロック塀等への対応について伺います。これまで確認されてきた法律に適合しない17校のブロック塀等の撤去と新しい構造物の復旧が、一部持ち越した学校があると聞いています。

2018年度の決算額とその内容、また現状でまだ撤去が完了していない学校、撤去はしたものの新しい構造物の設置が終わっていない学校はどこか、ブロック塀の高さや種類別にお示しください。

答弁①

ブロック塀についての御質問でございますが、平成30年度の決算額は、約1億4,900万円でございまして、対象校17校のうち1.2メートルを超える危険度の高い15校のブロック塀の撤去を行い、うち6校でフェンスの設置を完了しております。

現時点でブロック塀の撤去が完了していない学校は、さくら小学校、下河原小学校の2校で、いずれも比較的危険度の低い、高さが1メートルのブロック塀でございまして、今年度中に対応する予定となっております。

また、フェンスの設置が終わっていない学校は9校ございまして、撤去前のブロック塀の高さが2.2メートルを超えていた浅田小学校、 1.2メートルを超え2.2メートル以下の殿町小学校、幸町小学校、東住吉小学校、西生田小学校、南百合丘小学校、稲田中学校でございます。

なお、西生田小学校と稲田中学校につきましては、現在工事に着手しております。

質問② 工事が未完了の7校は今年度中に完了できるか

2校が現在工事中で、浅田小学校、殿町小学校など7校がまだ工事が完了していません。首都圏直下地震もいつ起こるかわかりません。工事の完了を急ぐ必要があると考えますが、工事中の2校以外の残り7校について、今年度内に復旧を完了できるのか、伺います。

答弁②

フェンスの設置予定についての御質問でございますが、工事に着手していない7校のうち、3校は工事契約済みで、4校は設計等に着手しておりまして、いずれも本年度内に設置する見込みとなっております。

意見要望

 年度内に終了させるとの答弁でした。くれぐれもよろしくお願いします。

質問④ 学校トイレ快適化の状況

 続けて、学校トイレ快適化について伺います。2022年度までに、長期保全計画などで対応するものも含め、175校すべての体育館と校舎のトイレの快適化を完了させるとの計画です。2018年度のこの事業の決算額、設計した学校数を伺います。

答弁④

学校トイレについての御質問でございますが、「学校トイレ環境整備事業」におきましては、便器の洋式化、床面のドライ化等に取り組んでおり、本事業の平成30年度決算額は、約5億1千万円でございまして、設計を30校、工事を7校で実施しております。

質問⑤ 「長期保全計画」で行われるトイレ工事の計画は?

 快適化事業とは別事業として行われる従来の学校施設長期保全計画等としてのトイレ改修工事は、今年度から2022年度までに何校で進める計画なのか、年度ごとの学校数を伺います。

答弁⑤

学校トイレの决適化についての御質問でございますが、学校施設長期保全計画におきましては、学校施設の老朽化対策や環境対策のほか、トイレ改修などの質的改善を行うこととしております。

本計画に基づくトイレ改修工事につきましては、今年度は校舎・体育館あわせて30校、令和2年度は17校、令和3年度は14校、令和4年度は5校を予定しております。

質問⑥ 目標とする「2022年完了」はできるのか

長期保全計画では今後66校を見込むとのことでした。また事前の調査では快適化事業で今年度工事実施が31校、今年度設計を行い来年度に工事可能な学校が45校ということです。また2021年、22年度についても同様のペースですすめ、22年度までに完了させるという計画なのか伺います。

答弁⑥

学校トイレについての御質問でございますが、学校トイレの快適化につきましては、今年度、「学校トイレ環境整備事業」で31校、「学校施設長期保全計画推進事業」で30校の工事を行う予定となっております。今後につきましても、同様のペースでトイレの决適化を行い、令和4年度の全校完了を目指してぃるところでございます。

学校トイレ 意見要望

 2022年度まで完了の予定とのことですので、着実に進めるよう要望します。

質問⑦ 格技室整備にかかった費用は?

続いて、中学校の格技室の整備について伺います。まず2018年度決算をはじめとして直近10年程度の中で、中学校の格技室を設置した際の工事費について伺います。

答弁⑦

格技室についての御質問でございますが、直近10年間における整備事例といたしましては、平成22年度の柿生中学校、平成26年度の川崎高校附属中学校の2例がございます。それぞれ、校舎全体の改築に合わせて格技室を整備しており、学校の全体工事費から、面積案分により工事費を試算いたしますと、柿生中学校につきましては約1億4千万円、川崎高校附属中学校につきましては、約9千万円でございます。

質問⑧ 未設置の学校は?

本市の全中学校52校のうち、格技室が未設置の学校数と学校名について伺います。

答弁⑧

格技室についての御質問でございますが、中学校52校のうち、格技室の未設置校は13校でございまして、南大師、川崎、玉川、住吉、東高津、野川、平、枡形、南菅、菅、南生田、西生田、長沢中学校でございます。

質問⑨ 「畳による寒さ対策」「教育と避難の両立」など、格技室の避難所への活用を

格技室は体育の授業や柔道部・剣道部などの部活動、学年単位などの集まりなどにも活用されています。

また、災害時に避難所としても活用することも期待されています。

先日の陳情審査の際に、私は「東日本大震災の際には教室に避難者を受け入れざるを得なかったため、階段下の空きスペースで授業をしていた事例があった」ことを紹介し、すみやかな授業再開のためにも格技室の避難所としての活用を提起しました。危機管理室も「格技室も避難に活用することを想定している」「教育委員会ともよく検討したい」という主旨の答弁をされていたと思います。

文科省の「災害に強い学校施設の在り方について」では、基本的な考え方として「教育活動の早期再開」をあげ、避難生活と教育活動が共存する際の対応を学校施設利用計画に盛り込むことが重要だとしています。

また、避難所生活向上の点でも「畳」のある格技室は重要です。内閣府の「避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針」でも、災害対策法に基づき「畳、冷暖房器具、シャワー」などの整備を求めています。先ほどの文科省の文書も、避難所となる学校施設に必要な機能として「畳やマット等の確保」をあげ、寒さ対策に加え「固くない寝床で避難者が寝られる」としています。

平時の教育活動に加えて、災害時に教育活動と避難生活を両立させ、避難生活の質を向上させる点でも、残る13校の格技室の整備を進めるべきと思いますが、伺います。災害時に教育活動の早期再開をどのようにはかる計画なのか、あわせて教育次長に伺います。

答弁⑨

学校施設についての御質問でございますが、はじめに、格技室が未設置の中学校におきましては、体育館を活用するなどの工夫により、授業や部活動を実施しているところでございまして、敷地の制約等もございますので、現在、新たな格技室を設置することは計画しておりません。

次に、災害時の教育活動の再開については大変重要な課題と考えておりますが、被災状況によりましては、学校におきましても、避難所としての機能を優先せざるを得ない状況も想定できるところでございます。

その時点での状況に的確に対応しながらも、早期に教育活動を再開できるよう、関係機関・部署とも連携してまいりたいと存じます。

意見要望

 間違いなく大規模災害は起こります。早急に計画を立てるよう要望します。

片柳すすむ

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