片柳すすむ

かたやなぎ 進
日本共産党川崎市議会議員
議会活動報告

「川崎臨海部工業地帯の上空飛行禁止」の立場を改めるのなら、市長は市民に説明責任を果たせ【羽田新飛行ルート・代表質問】

2019年9月11日

代表質問の中から羽田新飛行ルート案について質問した部分についてご紹介します。こちらは手元のメモに基づく「ダイジェスト」です。正式な報告は後程発表される議事録をご確認ください。

質問 「バードストライク」の危険度の高いルート、撤回を国に求めたのか

羽田空港ではバードストライク(鳥の衝突)が過去5年で全国トップの868件が発生している。羽田空港では「海から入り、海に出る」というルートが原則だったが『新ルート』では離陸直後に「生態系保持空間」の多摩川河口干潟を横切るという、バードストライクのリスクが非常に高いルートになる。

生態系保持空間 川崎市提供

多摩川でバードストライクが起きれば、その先には住宅地とコンビナートしかなく大事故に直結する。飛行機事故が相次いだことからコンビナートでの重大事故防止のために結んだ1970年の「コンビナート上空の原則飛行禁止」の通知の立場から見れば新飛行ルートは到底認められるものではない。

生態系保持空間への離陸

国交省は「バードストライク対策を行っている」と言うが、その内容は「銃で空砲や実弾を撃つこと」「爆音で鳥を威嚇すること」などで、市民の憩いの場、生態系保時空間でもある多摩川では実施できない。バードストライクを防止できる保証があると考えているのか、国に対策を求めてきたのか。

1970年の「通知」は「コンビナート上空の飛行を原則禁止する」という内容だが、市は、一定の「安全確保」の対応がされれば「コンビナート上空の飛行」を認める、という立場なのか。国との協議会などの場で通知どおりにコンビナート上空での飛行をしないよう国に求めたのか。

1970tuui

答弁 国から「安全性が確保されている」と確認している

航空機の安全基準はバードストライクの発生も考慮して策定されており、航空機の安全性が確保されていることを国から確認している。羽田空港の機能強化については必要性を認識しており、国の協議会でコンビナート上空飛行の安全性の確保等の対応を求めたところだ。

再質問 議会が全会一致で「臨海工業地域での即刻飛行禁止」を求めたのに、市長の一存で投げ捨てていいのか

バードストライクを防止できる保証があるのかとの質問に「国が『航空機の安全性が確保されている』と言っている」との答弁だった。「ハドソン川の奇跡」も8月15日のモスクワ郊外での不時着事故も、原因はバードストライク。「安全性が確保されている」などと言うが実際に事故は起きている。

空砲・実弾・爆音など国のバードストライク対策は空港内でしかできない。しかも世界にも例のないコンビナートへ上昇するルート。コンビナートへの墜落事故が起きれば6月議会での答弁のように、重大な複合災害に発展することは避けられない。国の説明を鵜呑みにせず対策を行わせるべき。

「一定の安全確保がされればコンビナート上空の飛行を認めるのか」「国との協議会の場で『通知』どおりにコンビナート上空での飛行をしないよう国に求めたのか」との質問に対し、「羽田空港の機能強化の必要性を認識している」との答弁。事実上コンビナート上空の飛行を認める重大なものだ。

「コンビナート上空での飛行禁止」を求めた1970年の通知は、議会が全会一致で「即刻本市臨海工業地帯を飛行禁止区域に指定されるよう強く要望」した意見書・請願を採択し、議会と行政・市長が一体となって国に要求した結果できたもの。これを市長の一存で投げ捨てていいと考えるのか。

意見書

答弁 国は「地元の意見を受け止め丁寧に対応する」と言った

市がバードストライク対策も含めた安全確保等の新飛行経路に必要な対応を求め、国は地元の意見を受け止め、丁寧に対応することを前提として、増便の実施を判断した。国際競争力の強化に向けて、羽田空港の機能強化の必要性を認識しており、国の責任で対応することを確認していく。

再々質問 「工業地帯上空飛行禁止」の立場を改めるのなら市民に説明を

「『通知』の立場でコンビナート上空飛行禁止を国に求めなかったことになる」との質問にも、「1966年当時の請願と意見書、通知に至る到達点を市長の一存で投げ捨てていいのか」との質問にも、明確な答弁も反論もなかった。これらの指摘を認めたということになるのではないか。

『通知』に至る川崎市の立場を変更するというのなら、市が市民に対して説明を行うべきだ。全会一致で議会が意見書をあげてきたのだから、議会に対しても報告・説明を行うべきだ。今からでも改めて「コンビナート上空での飛行禁止」の立場に立ち戻って、撤回を求める交渉をすべきだが、市長に伺う。

答弁 国が市民に説明する

川崎石油コンビナート地域については、現在、国の運用として、飛行が制限されており、今後の取扱いや市民への丁寧な説明などについては、国が責任を持って対応することを確認している。今後も国の対応状況について確認し、議会に対しても適宜報告する。

意見 市長は市民に対して明確な説明責任を果たし、「臨海工業地帯での即刻飛行禁止」の立場で国に撤回を求めよ

「コンビナート上空の飛行禁止という通知の立場を転換するのなら、市が市民に対し説明すべき」との質問に、市長は「国の運用で飛行制限しているのだから国が市民に丁寧に説明を」と答弁。しかし国の飛行制限は、市民と議会と一体に行政が求めたから始まったのではないか。

1970年7月金刺市長は運輸大臣宛に「石油コンビナート地域上空の飛行制限措置強化を」と要望書を提出。議会と行政が求めたからこそ飛行制限が実現した。それなのに市が飛行制限を求める立場を投げ捨ててしまえば、国が飛行制限を守ろうとするはずがないではないか。

意見・危険極まりない新ルート案に対する市長の答弁は、市民とコンビナート労働者の生命と安全を守る責任を放棄するものだ。コンビナート上空への飛行に市がどう向き合うのか、市民に対し明確な説明責任を果たすべきだ。「臨海工業地帯での即刻飛行禁止」の立場で撤回への交渉をするよう強く求める。

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