片柳すすむ

かたやなぎ 進
日本共産党前川崎市議会議員
市議会傍聴レポート(議会活動報告)

高校内居場所カフェ―川崎の全定時制高校に展開を

2018年6月24日

ひきつづき一般質問の報告です。テーマは、①八丁畷駅西口改札にJR券売機の設置を、②藤崎保育園入口交差点など安全対策を、③ヘイトスピーチとガイドラインについて、④高校内居場所カフェについて、⑤性自認と性的指向にかかわる施策について、の5つでした。今日は『高校内居場所カフェ』についてご報告します。

ぽちっとカフェ2ぽちっとカフェ1

写真は2016年5月に、川崎市立川崎高校「ぽちっとカフェ」に伺ったときのものです。

質問①・高校生の本音が「ぽろっ」と出てくる「居場所」の位置づけを

次に高校内居場所カフェについてです。
先日、県教育委員会も共催する「かながわ高校内場所カフェサミット」が開催され、市立川崎高校含め県内9校内に設置された「カフェ」の関係者が一堂に会しました。
全国ではじめに、大阪府立高校で居場所カフェを設置された田中俊英さんが基調講演をされ、「朝7時からのカフェの「モーニング」で、最後までポツンと一人で立っていた女子に話しかけたら『昨日から何も食べていない。母親は恋人のところに行き、妹と弟には自分がパンを食べさせた』とバーッと吐き出すように話していった。そういう子の本音が出てきて個別支援のきっかけになるのがカフェの大事なところだ」という趣旨の話をされていました。
このように、ポロッと本音が出てくる「居場所」をつくることが、この取組みの勘所だということが、各地の経験で裏付けられています。本市は2014年から川崎高校で「居場所」を大事にした「カフェ」を開始、2016年には教育委員会に所管が変わり、昨年度からは高津高校で「就労」を中心にした事業を行いました。各地の取組みでは「中退・定着対策」と「就労・進路対策」のどちらを重視する場合でも、本音の出せる「居場所」がその前提となっています。今後のこの事業で「居場所」をどのように位置づけるのか、伺います。

答弁①・教育次長

定時制生徒自立支援業務委託事業についての御質問でございますが、
本事業は、定時制高校に在籍する生徒を対象に、様々な教育的ニーズを持つ生徒の自立に向けた学校内における生徒の居場所として、カフ工などを設置し、相談や学習支援、キャリアサポート等を行うものでございます。
川崎高校におきましては、「相談や個別サポート」を中心とした取組を行っており、また、高津高校では、進路相談や面接の練習等、「キャリアサポート」を中心に取り組んでいるところでございます。
定時制生徒の自立に向けた支援を行うためには、「居場所づくり」は有効な取組であると考えますので、今後も様々なサポート等に活用してまいりたいと考えております。

質問②・生徒の抱える虐待や貧困・生きづらさなどの課題にも個別対応できるような支援体制を

「居場所カフェサミット」では、学校の先生だけでは解決できない課題を抱える生徒が「居場所」で吐き出す悩みや不安に寄り添いながら、いかに虐待やネグレクト、貧困などの課題を早期発見して、公的サービスや専門機関につなぎ支援するか、ということが共通の問題意識でした。

川崎高校の「ぽちっとカフェ」の担当者の方も「『カフェ』単独では生徒個別の課題に対応しきれない。学校の先生・保健室や事務の先生と連携し、保健士や福祉事務所のケースワーカーなど関係機関と連携することが欠かせない」と話されていました。

定時制高校自立支援事業の中に、生徒の抱える虐待や貧困・生きづらさなどの課題に個別対応できるような支援体制を確立していくことが必要と思いますが、伺います。その中で重要な役割が期待されるのがスクールソーシャルワーカーの体制を強化し高校への支援も強めるべきですが、伺います。

答弁②・教育次長

支援体制についての御質問でございますが、
生徒の支援につきましては、教員だけでなく、養護教諭や関係機関との連携が不可欠であると認識しており、現在、定時制高等学校では、全教職員と学校巡回カウンセラーが様々な教育的ニーズを持つ生徒に対して個別支援を行っているところでございます。
また、カフェの担当者が相談等で得た情報に関しても、学校と協議の上、関係機関と情報共有し、対応を図っております。
次に、スクールソーシャルワーカーによる支援につきましては、学校からの要請に応じて、個々の生徒の環境を踏まえて、関係機関との連携を図りながら実施することとしております。
教育委員会といたしましては、各学校が生徒の抱える課題に適切に対応できるよう、スクールソーシャルワーカーの積極的な活用や校内体制の充実などについて働きかけてまいります。

質問③・「居場所カフェ」を全定時制高校に

高校内居場所カフェに、神奈川県内ではじめに取り組んだのが市立川崎高校でした。大阪の取組みでは、全校生徒の約1割が中退しているある高校のなかで、「居場所カフェ」に参加している生徒の中退率は約1~2%と10分の1にとどまっているとのことでした。高校生の自己肯定感をはぐくみ中退を防ぎ高校への定着を支え、さらに就労や進学につないでいく重要な役割が注目されて、県内9校に広がりさらに大きく注目されています。
こうした高校内居場所カフェを通じた取組みを、まずは全定時制高校に広げるべきだと思いますが、教育次長に伺います。

答弁③・教育次長

事業の今後の取組についての御質問でございますが、
今後につきましては、川崎高校での「相談・個別サポート」や高津高校での「キャリアサポート」を充実させるための取組を継続するとともに、他校への展開も含め、生徒へのより効果的な自立支援について検討してまいります。

意見

さまざまな困難や生きづらさを抱える生徒の実態を早期に発見し、個別相談につなぎ丁寧に専門部署・専門機関と連携していけるよう、体制強化をお願いいたします。他校にも「居場所」を前提としたこの取組みを展開していくよう、要望いたします。

片柳すすむ

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