片柳すすむ

かたやなぎ 進
日本共産党川崎市議会議員
活動レポート

性的マイノリティ支援施策を視察―大阪市淀川区・岡山市

2017年4月27日

日本共産党川崎市議団で、性的マイノリティの方々を支援する施策の学習と研究、当事者やサポートする方々からの聞き取りなどを始めています。

川崎市役所の各部署から現状の取組みをうかがい、4月17~18日にかけて大阪市淀川区・岡山市に施策の視察に行ってきました。大阪市では学校調理方式(小学校の調理場で給食を作り中学校に運ぶ「親子方式」と、中学校の調理場でつくる「自校方式」の併用)の中学校給食、子どもの医療費の18歳までの無料化についても視察してきました(詳細は次の機会に)。

「LGBT当事者が言いやすくする状況をつくる」ー大阪市淀川区

大阪市淀川区の前担当者の方からお話を伺いました。自分が「ゲイである」と公表(カミングアウト、と言います)しているリネハン元大阪神戸アメリカ総領事と、淀川区長が会談した際に「LGBTは人権課題だ」と認識を新たにしたことをきっかけに、淀川区の取組みが始まったそうです。

印象的なのは、行政の中でも「総人口のうち7%程度が性的マイノリティというが、自分は今まで一人もあったことがない」という方が多いとのことで、それに対して「LGBTの当事者であるとは言い出せない」と理解することが大事、という認識に淀川区が立っていることでした。行政がやるべきことは「LGBTを言いやすくすること」「言いやすい状況をつくること」と意識して取り組んでいます。

具体的には
・電話相談窓口の設置(週2回)
・当事者のコミュニティスペースの設置(月2回)
・職員向けLGBT研修の実施
・市民向け啓発事業の実施
・LGBT当事者との意見交換を継続的に実施
・小・中学校にLGBTに関する本や書籍等を配架
・教職員向けハンドブックを作成
・職員による出前講座を実施
・区役所内で働きやすい職場をめざし、相談員2名の「職員LGBT相談窓口」を設ける
・LGBT理解者(ally=アライ)の職員の証として名札にレインボーマークつきゆるキャラを標記
・多目的トイレに「誰でも利用できます」と表示
などです。

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さまざまな取組みに感心させられましたが、特に教育分野で踏み込んだ取組みをはじめていることに驚きました。
教職員向けハンドブック『性はグラデーション』(大阪市淀川区のページからダウンロードできます)には、「水泳の授業がすごく嫌でほとんど休んだ。保健の授業で担任の先生が同性愛について笑っていた。セーラー服がすごく嫌だったが、担任の先生のおかげで、高校3年の間だけズボンで通わせてもらえた」などの当事者のみなさんの声、「先生の対応で困ったこと・嫌だったこと」「良かった・助かったこと」などが載っており、直面した先生へのアドバイスも書かれています。

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実際に、水泳の授業では「ラッシュガード(上半身用の水着)」の着用を全生徒に認めるといった対応も行われているとのことです。

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区役所の中にも、外にも、性的マイノリティをはじめとした多様性ある社会をあらわす虹色のしるしが掲げられていました。

全教員にパンフレット配布、職員向けパンフもー岡山市

岡山市は、性的マイノリティの自助グループ「プラウド岡山」が「当事者の苦しい気持ちを先生に知ってもらいたい」「当事者の置かれている状態を数値で表して具体的に知ってほしい」という思いで、岡山市教育委員会と協働の調査を行い、その内容を淀川区と同様に教員向けのパンフレット『知ってもらいたい多様な性』(岡山市教育委員会指導課のページ→PDFでダウンロードできます)を作成したそうです。
「身近な相談相手がいた」37%
「自傷行為をしたことがある」46%
「生きているのが辛いと思ったことがある・少しある」74%
など衝撃的な数字が並びます。

岡山1

また、「性的マイノリティは40人のクラスに約3人の割合です」と冒頭に掲げていて、「あ、たくさんいるんだ」と気付かされる中身になっています。

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淀川区と同様に、どんなことで学校で傷ついたのか、「こんな先生がいてくれてよかった!」と思ったことを当事者に聞いたページもあります。

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今年度から全教員に配布して、養護教諭を中心に各学校で研修を行っていくことにしているそうです。なぜ養護教諭かといえば、学校内で担任に相談できなくても保健室でなら相談できる、といった役割をもっているから、とのことでした。

また、職員向けのパンフ『岡山市の職員が知っておきたい性的マイノリティ(LGBT)の基礎知識』も、この分野のスペシャリストである中塚幹也教授(岡山大学大学院保険学研究科教授・同ジェンダークリニック医師)が執筆して作成しているとのことです。当事者にとっては「病院と役所の窓口が一番緊張する」そうです。公衆の前で、自分にとって違和感のある性別の名前で呼び出されたり、性別欄に印をさせられたり、本人確認で写真と見比べられたりするのですから。
この職員向け冊子の最後のページで中塚教授は「岡山市の職員が、『行政のできること』を考えてみることは大切です」として
・性別にこだわらず使用できるトイレ等の設備
・受付での氏名の呼び方
・市営の施設などでの更衣室やシャワー室への考慮
・不必要な証明書や申請書の性別記入欄の削除
・一般市民向け・企業向けの研修会
・広報誌による啓発
・LGBTフレンドリーな店舗や施設の認定
などをあげています。

これらを参考に、川崎市でも取組みを進めていきたいと思います。

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性的マイノリティの方の割合は7%。毎年水泳の授業など体の性を突きつけられる時期には、表に出せなくても辛い思いをしている生徒が間違いなくたくさんいます。川崎市でも早くこうした対応ができるようにしていかなければ、と思います。

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